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民法101条~150条 ブログトップ
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民法第150条 支払督促 [民法101条~150条]

民法第150条 支払督促

支払督促は、債権者が民事訴訟法第392条に規定する期間内に仮執行の宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じない。


解説
支払督促は、時効中断の事由である「請求」に該当します(第147条参照)が、それだけでは時効の中断の効力は生じません。

支払督促は、債権者が民事訴訟法第392条に規定する期間内(債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内)に仮執行の宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じません。

仮執行の宣言とは
本条における「仮執行の宣言」とは、督促にもとづき、債権者の申立てによっておこなわれる、裁判所書記官の、債務者に対する、仮執行の宣言です(民事訴訟法第391条参照)。

この仮執行の宣言が付された支払督促は、確定判決と同一の効果があり、仮執行の宣言が債務者に対して送達された場合は、強制執行ができるようになります。

民法第149条 裁判上の請求 [民法101条~150条]

民法第149条 裁判上の請求

裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。


解説
裁判上の請求は、時効中断の事由である「請求」に該当します(第147条)が、訴えの却下(棄却を含みます。大審院判決大正6年2月27日)や取下げの場合は、結果的には訴訟は進行しないため、時効の中断は効力を生じません。

なお、「裁判上の請求」とは、訴訟を指します(反訴を含みます)。


民法第148条 時効の中断の効力が及ぶ者の範囲 [民法101条~150条]

民法第148条 時効の中断の効力が及ぶ者の範囲

前条の規定による時効の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。


解説
本条により、時効の中断事由は、当事者(およびその承継人)の間でだけ効果が生じ、当事者(およびその承継人)とそれ以外の第三者との間では効果が生じません。

これを、「時効の相対効」といいます。

時効の中断の相対効とは、法定中断のみが該当しますが、私的自治の原則からの当然の帰結です。
法定中断は人の行為から生ずるものであって、ある人の法的行為は他の人への利益にもならなければ、利益を害するわけでもないということです。

ただし連帯債務など担保的機能の強化等のために、法が特に定めたものについては、絶対効となります。

つまり連帯保証人には、連帯債務者と違い、負担部分という概念がなく、主債務者と連帯保証人を1体と考えます。
なので、主債務者がした時効利益の放棄等一部例外を除いて、主債務者に生じた効力は、保証人にも及ぶことになります。


今日のちょこ
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進路妨害でこのあと、ぶつかります。


民法第147条 時効の中断事由 [民法101条~150条]

民法第147条 時効の中断事由

時効は、次に掲げる事由によって中断する。

(1)請求
(2)差押え、仮差押え又は仮処分
(3)承認

解説
本条における「中断」とは、それまでに継続していた時効期間の計算が中断されることです。
その後、中断が終了した場合は、再度最初から時効期間が計算されます。

なお、「停止」の場合は、中断とは異なり、一時的に時効の完成を猶予するものであり、停止の事由が終了した場合は、それまでの時効期間から再度継続して時効期間が計算され、更新はされません。

民法第146条 時効の利益の放棄 [民法101条~150条]

民法第146条 時効の利益の放棄

時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。


解説
本条は、時効完成前の時効の利益の放棄を無効とした条文です。
つまり、本条は、いわゆる「強行規定」であるといえます。

時効が完成した後であれば、時効の利益を放棄することができます。


民法第145条 時効の援用 [民法101条~150条]

民法第145条 時効の援用

時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。


解説
時効の援用は、当事者の意思に委ねられています。
すべての当事者が必ずしも時効の援用を希望するとは限らないため、本条が規定されました。

時効の援用権者
保証人は主債務の消滅時効を援用できるとされている(大判大正4年7月13日民録21-1387)。

抵当権の負担のある不動産を取得した者(第三取得者)は抵当権の被担保債権の時効を援用できるとされる(最判昭和48年12月14日民集27-11-1586)。

被担保債権が消滅した場合、附従性により抵当権も消滅するから、第三取得者は「時効の完成により直接の利益を受け」るといえるからである。
同様の論理により物上保証人にも援用権が認められる(最判昭和42年10月27日民集21-8-2110)。

後順位抵当権者は先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用できないとされる(最判平成11年10月21日民集53-7-1190)。判例によれば先順位抵当権の消滅により自分の抵当権の順位が繰り上がるとしてもそれは「反射的効果」に過ぎないからである。

民法第144条 時効の効力 [民法101条~150条]

民法第144条 時効の効力

時効の効力は、その起算日にさかのぼる。


解説
本条により、時効の効力は、時効の期間が満了した時点から発生するのではなく、時効の起算日までさかのぼって発生します。本条は、時効の遡及効を認めた条項です。


例えば、金銭債権において、当該金銭債権について法定果実としての利子が発生しており、これは、時効の起算点より後に発生しているため、独立した債権と認めると、元本について消滅時効が成立しても、利子部分については不当利得として返還義務が争われる可能性があります。

これは、時効制度を適用した本体である係争物について争うことに他ならず、時効制度の意義を損ねる結果ともなりかねない。これを回避するために、起算日時点より法律事実そのものが存在していなかったとする趣旨です。

民法第143条 暦による期間の計算 [民法101条~150条]

民法第143条 暦による期間の計算

1 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。

2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。


解説

週の場合は、例えば水曜日に期間が3週間の契約が発効した場合は、期間の満了日は、3週間後の水曜日の前日の火曜日になります。

月の場合は、例えば4月1日に期間が1ヶ月間の契約が発効した場合は、期間の満了日は、1ヶ月後の5月1日の前日の4月30日になります。

ただし、1月30日に1ヶ月間の契約が発効した場合は、2月は28日までしかありませんので、2月28日(閏年の場合は2月29日)が期間の満了日になります。

年の場合は、例えば平成26年9月1日に期間が2年間の契約が発効した場合は、期間の満了日は、2年後の平成28年9月1日の前日の平成28年8月31日ということになります。


今日のじじ

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民法第142条 期間の満了の特例 [民法101条~150条]

民法第142条 期間の満了の特例

期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和23年法律第178号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。


解説
日曜日やいわゆる祝祭日が期間の末日に該当する場合、その日に取引をしない慣習があるときに限って、その日は期間が満了せずに、その翌日に期間が満了します。

民法第141条 期間の満了 [民法101条~150条]

民法第141条 期間の満了

前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。


解説
本条により、第140条の場合、日、週、月または年によって期間を定めた場合は、期間の末日の終了によって、期間は満了します。

ここでいう期間の末日の終了とは、期間の末日の午後12時=期間の末日の翌日午前0時のことをいいます。


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