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嫡出推定規定(最高裁) [判例]

最近、嫡出推定について最高裁が判決を出ました。
この判決は、「子供の幸福」を改めて考えなければならないことを司法が示したことになりましたが、現代と判決とのズレは否めないと・・・

今回の判決を簡単に紹介します。

結婚後に生まれた子がDNA鑑定で血のつながりがないと分かった場合に法律上の父子関係を取り消せるかどうかが争われた訴訟3件の上告審判決で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は17日、「生物学上の父子でないと科学的に証明されても、法的な父子関係を取り消すことはできない」との初判断を示しました。

なぜ、このような判決になったのでしょうか?

民法には妻が結婚中に妊娠した子は夫の子とする「嫡出推定」の規定があり、判例では遠隔地での別居など「明らかに夫婦関係がない場合」は例外的に推定が及ばず、父子関係を取り消せるとしています。
最高裁は、この民法の規定をもとに、DNA鑑定での血縁否定はこの例外に当たらず、嫡出推定は覆らないと判断しました。

妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する―。
「嫡出推定」と呼ばれる民法の規定は、父子関係を早期に確定させ、子の幸せを実現するためにあるからです。

しかし、その目的(嫡出推定)に照らすと適用の仕方にすっきりしない部分が残るのは私だけではないと思います。


ここから、ちょっと個人的意見
 DNA鑑定で血縁がないと分かった場合、法律上の父子関係が否定されるかが争われた2件の訴訟で最高裁は推定規定を適用し、この関係は取り消せないとしました。

 最高裁は、嫡出推定を受けないのは遠隔地の別居など、夫婦に子ができないことが明白な場合に限るとの立場で、例外を厳しく制限し、今回もこれを維持しました。

 確かに鑑定結果だけでは父子関係を覆せないとの判断は理解できないことはない。
親子の関係は血縁だけでは成り立たないのもなんとなくですが理解できます。
子を養育する意思や家庭の状況も子供の幸福にとって大切な要素だからです。

 今回、元夫婦間で争われたケースでは、子が母とともに、法律上の父とは別の血のつながった男性と暮らしている。

 裁判官の意見が分かれ、5人中2人が父子関係の取り消しを主張したのもうなずけます。

家族の形態は多様化し、血縁関係を科学的に知ることができる時代だからこそ、推定規定の例外とするかをもう少し柔軟に判断できなかったのでしょうか?

推定規定は明治の民法制定時に作られたものです。
これを否定するわけではないが、関連条項を含め、時代に合わない部分は少なくない。

だからこそ、子供の幸福を考えた場合、逆の判決もあり得たのではないかと考える今日この頃です。


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今日のちょこ
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ワオ~~~ン

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