SSブログ

隠居 [あ行]

「隠居」とは
旧民法下では、戸主が生前に家督(家名、財産・事業などの総体)を譲渡するための「隠居」という制度があり、戸主が死亡すれば長子がその家の新しい戸主として家督を相続するのが主流でしたが、生前に隠居者の意思表示にもとづいて戸籍の届出*(旧民法757)をすることによって新しい戸主へ家督を承継させることもできました。

隠居者の戸籍届出については、当時の呼称でいう行為無能力者(現行の成年後見制度における制限行為能力者)である場合は、その法定代理人の同意が必要とされていました(旧民756)。


普通隠居
旧民法では普通隠居の要件として、
戸主(男)が満 60歳以上で、行為無能力者ではない家督相続人となるべき者が、事前に、または隠居と同時に相続の単純承認をしたとき(旧民752)。

特別隠居
戸主が疾病により、以後家政を執ることができないこととなった場合において、裁判所の許可を得たとき(旧民753本)。

戸主が本家を家督相続するため、または再興その他やむを得ない事由により、以後家政を執ることができないこととなった場合において、裁判所の許可を得たとき現在の家の戸主を務めることができなくなる場合

戸主が婚姻により他家に入ることを欲している場合において、裁判所の許可を得たとき(旧民754)。

女戸主である場合に、家督相続人となるべき者が相続の単純承認をしたとき(旧民755①)。
ただし、女戸主に夫があるときは、その同意が必要とされ、また、その夫は、正当な理由がなければ同意を拒否できなかった。

戸主が隠居の手続をしないまま、婚姻または養子縁組によって他家に入った旨を届け出たところ、戸籍吏(現在の市区町村長をさす。)に受理されたとき。

戸主が法定の推定家督相続人または指定家督相続人のないまま、婚姻により他家に入った旨を届け出たところ、戸籍吏(現在の市区町村長をさす。)に受理されたとき。


隠居後の前戸主は、戸主権を失うことで新戸主の家族としての身分に服することになりました。
なお、隠居によって戸主でなくなった場合、前戸主または家督相続人から前戸主の債権者および債務者に対して、隠居の届出をしたことを通知をしなければ債権者および債務者に隠居の効力を主張することができないとされていました(旧民761)。
nice!(0)  コメント(0) 

遺留分 [あ行]

生前の被相続人は、遺言などの意思表示により相続財産を自由に処分できるため、相続人の権利をある程度保護するためにあるものが遺留分です。
遺留分とは法律の定めにより相続人が相続できる最低限の割合のことで、その割合は以下のようになります。

● 配偶者・直系卑属のどちらか一方でもいる場合 ― 相続財産の2分の1

● 直系尊属だけの場合 ― 相続財産の3分の1

● 兄弟姉妹 ― 遺留分はありません。

遺留分のある相続人が複数いる場合は、この遺留分に法定相続分をかけた割合になります。


遺留分の例
1.被相続人の相続財産が1000万円
2.被相続人の家族構成 (配偶者・子2人(A・B))

この場合、本来相続できた法定相続分の金額は次のとおりになります。
配偶者500万円・子A250万円・子B250万円

しかし、被相続人が遺言等により全財産を第三者に遺贈等をすると配偶者及び子A・Bは、何も相続できないことになります。
そこで、各法定相続人の権利をある程度保護するために遺留分権を各自が行使することにより最低限の相続分を取得することができます。

上記の例で、全員が遺留分を行使したとします。
その場合、次のとおりの金額(相続分)を取得することになります。
配偶者250万円・子A125万円・子B125万円

point1
 法定相続人のうち、子Aだけ遺留分請求をした場合は、子Aだけが金125万円を取得することになります。
遺留分を請求する場合、各法定相続人がそれぞれ第三者に対し、遺留分を請求しないと遺留分を主張できないことに注意をしてください。

point2
 最低限受け取ることのできる金額なので、法定相続分の分配額と混同しないようにご注意ください。

point3
 侵害された遺留分を確保するためには、受遺者や遺留分を侵害した者に対して、「遺留分減殺請求」をする必要があります。さらに、「遺留分減殺請求」の権利は、相続開始、及び自分の遺留分が侵害されていることを知った日から1年、あるいはそれを知らなくても相続開始の日から10年を過ぎると、時効で消滅するので注意をしてください。

point4
 相続人が、侵された自分の遺留分を回復させたいのであれば、受遺者や遺留分を侵害した者に対して、内容証明郵便(配達証明書付)などで遺留分減殺請求をし、それでも相手が応じなければ家庭裁判所に調停を申し立てることになります。 

point5
 遺留分の対象となる財産には、相続開始前の1年以内の贈与やそれ以前でも侵害を与えることが明白な贈与も含まれます。
nice!(0)  コメント(0) 

遺産分割 [あ行]

遺産分割とは相続人間で、誰がどのように相続するかを話し合い、その結果を遺産分割協議証明書に記載して、署名 捺印の上、印鑑証明書を付ける手続きです。

相続登記などは、ほとんどこの手続きによります。

印鑑証明書の期限はありません。3ヶ月を過ぎていもOKです。

相続放棄と遺産分割の決定的な違いは、債権者に対して、自分は相続に関わらない旨を主張できるか否かという点にあります。

相続放棄は、家庭裁判所に申し立てを行うことによって完了する、いわば「公的な手続き」です。

従って、自分は相続に関わらないということを、債権者も含めて、誰に対しても主張することができます。

一方、遺産分割は、相続人間の話し合いだけで完了する、いわば「私的な手続き」です。

従って、相続人の中で、1人の相続人が負債を相続するという内容は有効でも、債権者に対しては何の効力もありません。

つまり、遺産分割をしただけでは、結局、借金や滞納金を相続してしまうということです。

何年か前の依頼者は、遺産分割で財産を放棄したと言って何も責任はないと勘違いされていました。

遺産分割は、裁判官の審判を経ない私的な手続きにすぎないので、債権者に対しては何の効力もなく、借金や滞納金を相続することになります。

亡くなられた方が残した借金や滞納金を相続したくないのであれば、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを完了させる必要があります。

nice!(0)  コメント(0) 

違法年金担保融資 [あ行]

違法年金担保融資とは、年金を担保に融資を行うことを法律上認められている福祉医療機構以外の債権者が,違法に年金を担保として融資を行うことを言います。

違法年金担保融資は,貸金業法により刑罰が科せられているばかりか,公序良俗に違反する無効な行為として,元金も含めて一切返済する法的義務はないと考えられています(和歌山簡易裁判所平成19年3月20日判決参照)。
nice!(0)  コメント(0) 

営業許可証の更新について [あ行]

更新の流れ
①必要書類
*保健所へ更新の申請を行う際に必要となる書類は保健所によって異なります。

更新申請書(更新の通知はがき等)
既にお持ちの営業許可証(図面や営業設備の大要等)
更新にかかる手数料(通知はがきやHPに記載されていることが多い)
食品衛生責任者の資格を証明できるもの(調理師免許証や養成講習会修了証等)
変更届(既にお持ちの営業許可証に変更がある場合にのみ必要)
水質検査成績書(貯水槽使用水や井戸水を使用している場合にのみ必要)


②営業場所の実地検査の日程打ち合わせ


③営業場所の実地検査当日
営業場所が申請された通りの状態か、変更がないか、営業基準に満たしているか等の確認が行われます。
もしも、設備の破損や営業基準に適していない等の場合には、営業許可が下りずに更新が行えません。


④営業許可証の交付
実地検査が終了し、許可証が交付されます。
許可証の交付はその日に行われるのではなく、作成が終了し、実際に交付されるまでには1週間ほどかかります。

nice!(0)  コメント(0) 

他人から飲食店を譲り受けた場合の営業許可証の名義変更の可否 [あ行]

他人から飲食店を譲り受けた場合、営業許可の名義変更はできません。

他人からお店を譲り受けた場合や、居抜きで入った場合など、営業する者が変更になる場合、飲食店営業許可証の名義変更はできません。

その場合、飲食店営業許可を取り直す必要があります。

これは、「お店の設備面での条件」と「営業する方自身の条件」両方クリアして、はじめて許可が出るからです。

上記条件のうち営業する方が代われば、当然営業許可は取り直しになります。

前の方の営業許可のままお店を営業した場合「名義貸し」にあたり処罰の対象となります。

前営業者は廃業にあたり、この場合保健所へ飲食店営業許可証を返納する決まりになっていることから、名義貸しはご法度となります。
nice!(0)  コメント(0) 

印鑑証明書(海外在住の場合) [あ行]

本国籍の方が亡くなられた場合、相続人が海外に住んでいても、日本の法律に従って、日本の法務局に相続登記の申請を行います。

相続人の一人が海外に在住の場合、海外には台湾・韓国を除いて印鑑証明書及び住民票の制度がありません。

そこで、印鑑証明書の代わりに、在外公館(日本領事館)へ出向いて遺産分割協議書に弟様ご本人が署名した旨の証明(サイン証明)を取得する必要があります。

尚、日本に一時帰国中であれば、日本の公証人から同様のサイン証明を受けることも可能です。
nice!(0)  コメント(0) 

遺留分放棄の許可 [あ行]

遺留分とは,一定の相続人のために,相続に際して法律上取得することが保障されている遺産の一定の割合のことをいいます。

この遺留分を侵害した贈与や遺贈などの無償の処分は,法律上当然に無効となるわけではありませんが,遺留分権利者が減殺請求を行った場合に,その遺留分を侵害する限度で効力を失うことになります。

遺留分を有する相続人は,相続の開始前(被相続人の生存中)に,家庭裁判所の許可を得て,あらかじめ遺留分を放棄することができます。

※ 遺留分減殺請求とは,遺留分を侵害された者が,贈与又は遺贈を受けた者に対し,相続財産に属する不動産や金銭などの返還を請求することをいいます

nice!(0)  コメント(0) 

営業譲渡(事業譲渡) [あ行]

営業譲渡(事業譲渡)
一定の営業目的のために組織化され,一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む)を譲渡すること。

単なる物質的な財産(商品・不動産等)だけでなく,のれんや取引先等を含む,ある事業に必要な有形的・無形的な財産を一体とした上での譲渡を指します。
nice!(0)  コメント(0) 

訴えの取下げ [あ行]

訴えの取下げとは、訴訟を提起した原告が,判決を待たずに,その手続を自ら取り止めることです。

訴えの取下げをした場合には,訴訟手続は最初からなかったものとなります。

なお,訴訟が始まった後に,訴えの取下げをするには,相手方である被告の同意を得ることが必要です。
nice!(0)  コメント(0) 
Copyright © 法律相談 ちょこじぃ~の法律相談日誌 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます
日払いバイト