金銭の支払を目的としない強制執行は、非金銭執行と総称されます。
非金銭執行は、執行方法の点からみると多様であり、次のように分類されます。
1.直接強制 金銭執行の場合と同様に国家の執行機関が直接に権利実現行為にあたるもの 。
2.代替執行 権利実現行為を債権者または第三者に行わせるもの 。
3.間接強制 義務を履行しないと金銭を支払わせるという心理的強制を債務者に加えて、債務者
自身に権利実現行為を行わせるもの。
平成15年改正により、その適用範囲が大幅に拡大された(173条1項)。
4.意思表示の擬制 債務名義の成立(判決については確定)の時(一定の場合には、執行文が
付与された時)に意思表示があったものと擬制する方法により権利を実現するもの
民事執行法は、執行により実現されるべき義務の代表例を基にして、その義務と上記の執行方法とを結び付けています。
しかし、現実に発生する権利は多様であり、法律により規定された執行方法のみでは実現できない場合がある。その場合には、平成15年改正により間接強制の適用範囲が大幅に拡張され、いわば最後の執行方法としての役割を持つようになっていますが、必要であれば、幾つかの執行方法を組合わせて執行したり、あるいは他の執行方法により実現することも認められるべきである。