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クーリングオフと消費者センター [クーリングオフ]

消費者センター(消費生活センター)とは?

クーリングオフ関連でお悩みの方は消費者センターに相談するのも一つの方法です。

消費センターとは、消費者基本法の理念にもとづいて地方自治体に設けられている、全国に500以上ある消費者のための窓口のことです。

業務は、消費者被害の相談、暮らしに役立つ情報提供、消費者の自主的な活動の援助、消費者教育の推進などがあげられます。


相談にのってくれる人は?

消費者センターで相談を担当している人の多くは「消費生活専門相談員」「消費生活コンサルタント」「消費生活アドバイザー」といった資格を持ち、研修等もうけている消費者関連法のエキスパートです。

また情報の共有化をおこなわれていますので場合によっては法律家以上に頼れる存在でもあります。しかし消費者センターはあくまでも公的機関であり、相談員さんの立場も公正・公平でなければならない事は予め理解しておく必要があります。


クーリングオフの相談する時のポイント

消費生活センターにクーリングオフの相談する際には、以下のポイントを事前にまとめておき要領よく相談しましょう。
1.契約に至った経緯
2.契約した日
3.業者から契約書面を受け取った日
4.契約したもの(サービス)
5.契約金額
6.サービスの場合は契約期間

上記を説明した上で知りたい事を質問すれば、的確な助言が得られると思います。


今日のじじ

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クーリングオフと連鎖販売取引(マルチ商法) [クーリングオフ]

連鎖販売取引(マルチ商法)に関する法律相談

友人や知人から「いい儲け話がある」「いいバイトがある」などと誘われてセミナーや説明会に連れて行かれた場合は連鎖販売取引の可能性があります。
いわゆるマルチ商法やネットワークビジネスと呼ばれるものです。

鎖販売取引の際、消費者(無店舗個人)が契約をした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日(商品の引渡しの方が後である場合には、その日)から数えて20日間以内であれば、消費者は連鎖販売業を行う者に対して、書面により契約の解除(クーリング・オフ)をすることができます。

なお、平成16年11月11日以降の契約については、連鎖販売業を行う者が、事実と違うことを言ったり威迫したりすることにより、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合には、
上記期間を経過していても、消費者はクーリング・オフをできます。

なお、この場合、業者は契約の解除に伴う損害賠償や違約金の支払いを請求できず、商品の引取り費用も業者の負担となります。

ただし、原状回復義務については、契約を解除する双方が負うことになります。
業者は支払われた代金、取引料を返還するとともに、消費者は引渡しを受けた商品を業者に返還しなければなりません。


それでは、連鎖販売取引の要件を解説します。

連鎖販売取引(マルチ商法)とは?
連鎖販売取引は一般的にマルチ商法と呼ばれ、マルチ商法とはマルチレベル・マーケティングシステム(多段階販売方式)の略称の事です。

最近ではネットワークビジネスとも呼ばれています。

特定商取引に関する法律では、このマルチ商法を連鎖販売取引と定義して規制しています。



「連鎖販売業」とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。)の

販売(その斡旋を含む。)又は有償で行う役務の提供(その斡旋を含む。)の

事業であつて、販売の目的物たる物品(以下「商品」という。)

の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。)

受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。)

若しくは販売の斡旋をする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をする

ことをいう。)

若しくはその役務の提供の斡旋をする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは

販売の斡旋をする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供の斡旋を

する他の者が提供する取引料その他の経済産業省令で定める要件に

該当する利益の全部又は一部をいう。)を

収受し得ることをもつて誘引し、

その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。)を

伴うその商品の販売若しくはその斡旋又は同種役務の提供若しくは

その役務の提供の斡旋に係る取引(その取引条件の変更を含む。

以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。


定義の要件
1.物品(施設利用・役務提供を受ける権利を含む)の販売(その斡旋を含む)または

 有償で行う役務提供(その斡旋を含む)の事業で


2.再販売、受託販売もしくは販売の斡旋をするもの、または同種役務の提供もしくは

 その斡旋をする者を


3.特定利益を収受し得ることをもって誘引し


4.特定負担を伴う商品の販売もしくはその斡旋、または役務の提供もしくは

 その斡旋に係る取引をすること


となり、業者が相手方とマージンなどの特定利益が得られると勧誘し、加盟金などの特定負担を

伴う、商品の販売・役務提供やその斡旋の取引をすること、となります。



1の要件物品とは?
ここでの物品とは有体物としての動産を指し、不動産は含まれません。
指定制はとられていないので、アクセサリー、鍋、印鑑、洗剤、健康食品、自動車用品などなど、すべてのものが対象となります。

施設を利用しまたは役務の提供を受ける権利とは?
施設を利用したり、サービスを受けるための権利のことです。
施設はビルや建物などの建築物に限られず、ゴルフ場や公園なども対象となります。

斡旋とは?
斡旋とは販売の相手方をみつけて、販売の仲立ちをすることです。

事業とは?
事業であるためには反復継続して行うこと、またはその意思が必要です。



2の要件再販売とは?
再販売とは商品を買い受けて他の者に販売することをいいます。
自分ですべてを消費する場合は単なる消費者になりますが、再販売するつもりで購入し、結果的に自己消費した場合は再販売する者に該当します。

受託販売とは?
受託販売とは販売の委託を受けて商品を販売することをいいます。
取次ぎや代理などの如何を問わず、商品の所有者等から販売の委託を受けて行う販売はすべて受託販売となります。

同種役務の提供とは?
同種役務の提供とは、その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいいます。
種類とは一般人がいかなる役務なのかを認識できる程度のもので良く、絵画のレンタル、ダンスのレッスン、観賞用植物のレンタルなどが、これにあたります。
このレベルにおいて、有償で行う役務の事業を行う者が提供する役務と同一の役務の提供するものであれば、同種役務の提供をする者に該当します。


3の要件の特定利益とは?
この特定利益を33条は「その商品の再販売、受託販売若しくは販売の斡旋をする他の者又は
同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料
その他の経済産業省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう」と定めています。


(1) 商品の再販売、受託販売若しくは販売の斡旋をする他の者又は同種役務の提供若しくは
役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料により生ずるものであること。

(2) 商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者に対する商品の販売又は
同種役務の提供若しくは役務の提供のあつせんをする他の者に対する役務の提供により
生ずるものであること。 

(3) 商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者が取引料の提供若しくは
商品の購入を行う場合又は同種役務の提供若しくは役務の提供の斡旋をする他の者が
取引料の提供若しくは役務の対価の支払を行う場合に当該他の者以外の者が
提供する金品により生ずるものであること。



(1)は組織の他の加盟者(またはこれから加盟しようとする者)が提供する加盟金、保証金などの
取引料から生じる利益のことです。

例えば「あなたが勧誘して組織に加入する人の取引料の10%があなたのものになる」と勧誘した場合がこれに該当します。

尚、取引料とは組織への加入、または組織内での昇進にあたって負わせる経済的負担をいいます。加盟料、保証金、入会金、リクルート料、設備費などなど名義の如何に関わらず取引料になります。


(2)は組織の他の加盟者(またはこれから加盟しようとする者)に対する商品販売や役務の提供に
より生じる利益のことです。

例えば「あなたが勧誘して組織に加入する人が購入する商品の代金(提供を受ける役務の対価)の10%があなたのものになる」といって勧誘する場合がこれに該当します。


(3)は組織の他の加盟者(またはこれから加盟しようとする者)が取引料または代金を
支払う場合に、その加盟者以外の者が提供する金品により生じる利益のことです。

例えば「あなたが勧誘して組織に加入する人があれば統括者(一連の連鎖販売業を実質的に統括する者)から1万円がもらえる」といって勧誘する場合がこれに該当します。


4の要件である特定負担を伴う商品の販売もしくはその斡旋、または役務の提供もしくは
その斡旋に係る取引をすることです。

ここで重要なポイントは特定負担です。
33条1項はこの特定負担をその商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいうと定義しています。

要するに特定負担とは連鎖販売取引をするために伴う負担のことです。
再販売等をはじめる際または販売条件、特定利益等の取引条件を変更する際に、商品の購入、役務の対価の支払い、取引料の提供のいずれであるかを問わず、その取引に伴う金銭的負担は特定負担となります。

この特定負担をともなう商品の販売・斡旋や、役務の提供・斡旋の取引であることが4の要件です。


今日のちょこ
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ちょこも夏バテ気味です。


クーリングオフと業務提供誘引販売取引 [クーリングオフ]

クーリングオフと業務提供誘引販売取引に関する法律相談。

以前、次のような相談を受けたことがありました。

1.パソコンを購入すればホームページ製作の在宅ワークを紹介する。
2.資格講座を受講して合格すれば仕事をあっせんする。
3.商品を購入してモニターになれば報酬を支払う。

 などのセールストークで勧誘を受けたことはありませんか?

このような勧誘の場合、業務提供誘引販売取引の可能性があります。


業務提供誘引販売取引とは?

 業務誘引販売取引とは、いわゆる内職商法、モニター商法、資格商法と呼ばれるものです。

 これらの取引で業者は「内職やモニター業務で収入が得られる」という勧誘文句で、パソコンや機械、着物、布団、教材などを販売しますが、実際に内職やモニターで得られる収入は僅かだったり、全くなかったりします。

 結果的には消費者に高額な商品代金の支払いだけが残ることになるため、平成13年から特定商取引に関する法律で規制されており、クーリングオフの対象になっています。



特定商取引に関する法律51条1項が定義する業務提供誘引販売取引とは?

「業務提供誘引販売業」とは、物品の販売(斡旋を含む。)又は有償で行う役務の提供

(斡旋を含む。)の事業であつて、その販売の目的物たる物品(以下「商品」という。)

又はその提供される役務を利用する業務(その商品の販売若しくはその斡旋又は

その役務の提供若しくはその斡旋を行う者が自ら提供を行い、又は斡旋を行うものに限る。)に

従事することにより得られる利益(以下この章において「業務提供利益」という。)

を収受し得ることをもつて相手方を誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務

の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章において同じ。)を

伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又はその役務の提供

若しくはそのあつせんに係る取引

(その取引条件の変更を含む。以下「業務提供誘引販売取引」という。)をするものをいう。



業務提供誘引販売取引の要件を整理してみると

1.業務提供利益を収受できることにより顧客を誘引すること
2.特定負担をともなうこと
3.商品の販売・あっせんまたは役務の提供・あっせんに係る取引をすること


となります。


業務提供利益とは?
1の業務提供利益についてですが51条1項では「物品の販売・その斡旋又は有償で行う役務の提供・

斡旋の事業であつて、その販売の目的物たる商品又はその提供される役務を利用する業務

(業者が自ら提供を行い、又は斡旋を行うものに限る。)に従事することにより

得られる利益」と定義しています。


パソコンを使用しておこなうホームページ作成の在宅ワークの場合
■商品 → パソコン
■商品を利用する業務 → ホームページ作成の在宅ワーク
■業務提供利益 → ホームページ作成の在宅ワークの報酬


有料の講習で得た技術を利用しておこなうワープロ入力の在宅ワーク
販売の目的物である商品を利用しておこなう業務のことです。


■役務(サービス):ワープロ講習
■業務 → ワープロ入力の在宅ワーク
■業務提供利益 → ワープロ入力の在宅ワークの報酬


といった具合になります。

要する業者から販売される商品や提供される有償のサービス(研修や講習など)を利用して、業者

の仕事や業者があっせんした仕事をすることによって得られる利益が業務提供利益となります。

この業務提供利益を収受できることにより顧客を誘引することが1の要件となります。


特定負担とは?
2の特定負担とは「その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供」をいいます。

要するに顧客が負担するあらゆる金銭的負担が特定負担というわけです。

尚、登録料や入会金、保証金などは取引料であり、

これらも特定負担に該当します。2はこの特定負担をともなうことを要件としています。


今日のじじ

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夏バテ気味です。

クーリングオフと電話勧誘販売 [クーリングオフ]

電話勧誘販売に関する法律相談です。

業者からの電話で勧誘され契約した場合や、なんらかの手段で消費者から業者に電話をかけさせられて契約した場合は電話勧誘販売の可能性があります。

なお、新聞や雑誌等に掲載されている広告をみて消費者から自発的に電話をかけた場合には通信販売となりクーリングオフ制度の適用はありません。

特定継続的役務提供
契約したものが、エステ、英会話スクール(語学教室)、家庭教師(通信講座を含む)、学習塾、パソコン教室、結婚紹介サービスの場合は特定継続的役務提供の可能性があります。


クーリングオフと電話勧誘販売
クーリングオフの適用がある「電話勧誘販売」とは特定商取引に関する法律・2条3項が定義しているものになります。

この定義にあてはまなければ、たとえ電話勧誘販売の形式をとられていても電話勧誘販売ではないという事になり、電話勧誘販売のクーリングオフ制度の適用はありません。

逆に消費者から電話をかけた場合でも、ここで定義されているものは電話勧誘販売に含まれ、電話勧誘販売のクーリングオフ制度の適用があります。


特定商取引に関する法律2条3項の適用を受ける電話勧誘販売の定義は次のとおりです。

販売業者又は役務提供事業者が、電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において行う売買契約又は役務提供契約の締結についての勧誘(以下「電話勧誘行為」という。)により、その相手方(以下「電話勧誘顧客」という。)から当該売買契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該売買契約を郵便等により締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は電話勧誘顧客から当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該役務提供契約を郵便等により締結して行う役務の提供をいいます。


定義の要件

1.販売業者又は役務提供事業者(役務の提供の事業を営む者)が
2.電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ
3.その電話での勧誘により
4.勧誘された消費者から
5.郵便等により申込みや契約を締結して行う
6.商品・指定権利の販売、役務の提供


となり、1~6の要件をすべて満たした取引が2条3項の電話勧誘販売であるという事になります。


政令で定める方法とは?
まず電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせというところですが、

「業者が勧誘の電話をかけた場合」と

「業者が政令で定める方法で消費者に電話をかけさせた場合」がこれに該当します。

ここでポイントとなるのは政令で定める方法ですが、政令では以下のように定義されています。

1.電話、郵便、信書便、電報、ファクシミリ装置を用いて送信する方法若しくは電磁的方法により、又はビラ若しくはパンフレットを配布して、当該売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに電話をかけることを要請すること。

2.電話、郵便、信書便、電報、ファクシミリ装置を用いて送信する方法又は電磁的方法により、他の者に比して著しく有利な条件で当該売買契約又は役務提供契約を締結することができる旨を告げ、電話をかけることを要請すること(当該要請の日前に当該販売又は役務の提供の事業に関して取引のあつた者に対して要請する場合を除く。)。


1は販売目的を明らかにしないで電話、郵便、信書便、電報、FAX、電磁的方法(メール、WEBサイト)、ビラ、パンフレットなどの手段で 消費者に電話をかけさせる場合について規定したものです。
例えば「至急下記へ電話ください」等と記載されたハガキを配布するケースのように全く販売目的を告げないで電話をかけ させるもののほか「海外旅行に安くいける会員制のクラブです。興味のある人は お電話ください」と告げて、電話をかけてきた相手に実際には英会話の教材の購入を勧誘するケースのように、何らかの商品を販売する意図は告げているものの本来販売しようとする商品(役務)について告げずに電話をかけさせるものも含まれます。

2は販売意図は明らかであるものの「あなたは抽選に当選されたので非常に安く買えます」等の他の者に比して著しく有利な条件で契約ができる旨を伝え電話をかけさせた場合を規定したものであり、その内容の真偽にかかわらず本号に該当します。

なお、新聞や雑誌等に掲載されている広告をみて消費者から自発的に 電話をかけた場合には、その電話の中で事業者が売買契約等に関する勧誘を行ったとしても、 電話勧誘販売には該当せず、通信販売に該当します。


電話「勧誘」とは?
次に電話での勧誘についてですが、ここでは勧誘という言葉が重要になってきます。

特定商取引に関する法律でいう勧誘とは、事業者が消費者の契約意思を決めるプロセスに影響を与える程度のすすめ方をいいます。

つまり「○○を買いませんか」と直接的に商品をすすめる場合のほか「○○を買うと生活がこんなにかわります」など、その商品を購入し た場合の便利さを強調するなど客観的にみて顧客の購入意思の形成に影響を与えている場合も勧誘に含まれます。

「勧誘により」とは「勧誘されたことにより」の意味であり、消費者による申込み又は契約の締結が事業者の電話勧誘に起因して行われていることが要件となります。

要するに一旦、電話を切った後でも申込みや契約が勧誘に起因していれば要件を充たすことになります。
実際にどの程度の期間が経てば「勧誘により」に該当しなくなるかについては、勧誘の威迫性、執拗性、トークの内容等により異なるため、日数で一概に規定できるものではありませんが、販売業者等から最後に電話があった時から1ヶ月以上も経ってから申込みがあったというような ケースはこれに該当しない場合が多いと考えられます。


商品・指定権利・役務とは?
これまで電話勧誘販売のクーリングオフ制度の対象は取引一般としているのではなく、政令(内閣が定める命令)により対象を指定する指定制がとられていました。

しかし、平成21年12月1日に施行された改正特定商取引法では、商品、役務(サービス)の指定制が廃止となり、原則としてすべて商品・役務がクーリングオフの対象となりました。

しかし、規制がふさわしくないものは法律と政令で除外されています。

注目の生鮮食料品は「相当の期間品質を保持することが難しく、品質の低下により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるもの」として除外対象でしたが、昨今のカニ販売トラブル等に鑑み、これに対応する政令条項は現在のところ(09年12月)定められておらずクーリングオフの対象となりました。
なお、指定権利は改正特定商取引法でも維持されます。 


指定権利(クーリングオフできる権利)とは?
指定権利とは施設の利用や役務の提供を受ける権利のなかで国民の日常生活に係る取引において販売されるもので政令で定めるものと特定商取引に関する法律2条4項で定義されており、具体的にはリゾートクラブの会員権やゴルフクラブの会員権、スポーツクラブの会員権、英会話サロンの利用権などがこれにあたります。


今日の ちょこ と じじ
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クーリングオフと訪問販売 [クーリングオフ]

昨日の続きで、今日はクーリングオフと訪問販売に関する法律相談。

訪問販売とは?
訪問販売というと、自宅で訪問販売員と契約するイメージがありますが、街中で声をかけられた場合(キャッチセールス)、電話・DMなどで呼び出された場合(アポイントメントセールス)なども訪問販売の対象となる可能性があります。

その他、展示会での契約(展示会商法)やホームパーティーでの契約(ホームパーティー商法)、拡声器などで営業所に誘い出された場合(SF商法)、出会い系サイト・SNSなどで仲良くなった異性と契約した場合(デート商法)も訪問販売の可能性があります。


ん? なんで? と思いますよね。


訪問販売は単に訪問形式の販売方法を指す言葉ではないということです。

ここで言う「訪問販売」とは特定商取引に関する法律・2条1項が定義するもので、この定義にあてはまなければ、たとえ訪問販売の形式をとられていても訪問販売ではないという事になり、訪問販売のクーリングオフ制度の適用はありません。

逆に訪問販売の形式をとられていなくても、ここで定義されているもの(キャッチセールス・アポイントメントセールスなど)は訪問販売に含まれ、訪問販売のクーリングオフ制度の適用があります。


特定商取引に関する法律2条1項が定義する訪問販売とは?

特定商取引に関する法律2条1項は「訪問販売」を以下のように定義しています。

1号.販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の主務省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供

2号.販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う役務の提供

これだけでは、なんのこっちゃですね?


定義の要件を整理します。
1.販売業者又は役務提供事業者(役務の提供の事業を営む者)が
2.購入者等と
3.営業所等(営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所)以外の場所で
4.商品・指定権利・役務の
5.売買契約の申込みや契約の締結もしくは役務提供契約の申込みや契約を締結

となり、1~5の要件をすべて満たした取引が2条1項1号の訪問販売であるという事になります。


今日のちょこ

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ブクブクブク~~.。o○

クーリングオフの手順 [クーリングオフ]

クーリングオフの法律相談

今日は、クーリングオフの手順について紹介します。

クーリングオフは何でもかんでも適用される制度ではありません。
法制度ですので、法律で定められた取引形態にのみ適用されます。
また取引形態ごとにクーリングオフするための条件(要件といいます)が定められています。

ですので「自分のした契約にクーリングオフ制度の適用があるのか」「クーリングオフの条件を充たしているのか」等が重要になってきます。

1.クーリングオフできる取引形態であるかをチェック
2.クーリングオフの要件をチェック
3.クーリングオフ書面(内容証明郵便)を作成・発信


1.クーリングオフできる取引形態であるかを確認
まずは自分がおこなった契約がクーリングオフ制度の適用がある取引形態であるかを確認する必要があります。

例えば一概にエステの契約といっても
○街中で声をかけられ契約した場合 →  キャッチセールス(訪問販売に含まれます)
○電話で勧誘され契約した場合 →  電話勧誘販売
○電話で呼びだされて契約した場合 →  アポイントメントセールス(訪問販売に含まれます)
○期間が1ヶ月を超え、金額が5万円を超えるエステ契約の場合 →  特定継続的役務提供

などが考えられます。 要するに勧誘の手段や誘引方法(消費者を誘い出す方法)、サービスの期間や金額などの要素によって、かわってきます。


例えば、訪問販売では契約した場所、対象となる商品・役務・権利、誘引方法などが要件となるので、テレビでエステのCMをみて自分からエステサロンに出向き契約した場合は、訪問販売の対象にならずクーリングオフ制度の適用はありません。

しかし、その契約の期間が1ヶ月を超え、金額が5万円を超える場合は、特定継続的役務提供の対象となり、契約書面を受け取ってから8日以内ならクーリングオフができます。 

次回は、これらをもうちょっと掘り下げて説明します。

今日のじじ
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クーリングオフと内容証明書 [クーリングオフ]

こんにちは、ちょこじぃ~です。
昨日は、久しぶりにクーリングオフの法律相談を受けました。
そこで、今日は、クーリングオフの内容証明書の書き方等を紹介します。


クーリングオフとは、消費者が契約の申し込みを一定期間内に限り、撤回,解除ができるという制度です。
申込みの撤回ができる期間はクーリング・オフ制度の告知の日から8日間以内に、書面によって行わなければなりません。


クーリングオフの書き方
クーリングオフは書面で相手方に通知する事によって効力が生じます(書面を発信した時に効力が発生します)。

これは法律で規定されていますので必ず書面で行わなければなりません。

この書面について法律はとくに規定していませんが、書面の内容や発信日が確認できる内容証明郵便を利用するのがもっとも安心で確実な方法です。


内容証明郵便とは?

内容証明郵便とは「誰が」「いつ」「どのような内容を」「誰に」送ったかを郵便局が証明してくれる特殊な郵便制度です。

クーリングオフには期限がありますので、この中のまず「いつ」という要素が重要になってきます。
またトラブルに発展したときには書面の内容も重要になってきますので、これらを容易に証明できる内容証明郵便を利用するのが、安心で確実というわけです。

要するに内容証明郵便とは証拠を残すために出す郵便なのです。


内容証明の書き方

まず内容証明は同じ内容の文面を3通用意する必要があります(コピーでも可)。
郵便局ではそのうちの1通(正本)を受取人に送り、1通を局に保管、1通(謄本)を差出人に返してくれます。
その3通すべてに日付の入ったスタンプが押され、何日に受け付けたという証明の文句が記載されます。
これにより確定日付(第3者による証明のある日付)のある書面となり、クーリングオフ書面がいつ発信されたかを証明することができるようになるという訳です。

内容証明書に使用できる文字・1行の文字数と行数には制限があります。
用紙の指定は特にありませんが、使用できる文字、一行の文字数や行数は以下の表の通り制約があります。
使用できる文字 ひらがな、カタカナ、漢字、算用数字、漢数字
※外国語(英字は固有名詞のみ使用可能)
文字数と行数
■縦書きの場合 :20字以内 x 26行以内 
■横書きの場合1:20字以内 x 26行以内
■横書きの場合2:26字以内 x 20行以内
■横書きの場合3:13字以内 x 40行以内 
※最大文字数は520字

1枚の用紙に書ける文字数には最大520字という制限がありますが、枚数には制限はありません。
用紙が2枚以上になる場合には、ホッチキスや糊で綴じて、ページのつなぎ目に左右の用紙にまたがるように割印をおします。

なお、文字数は句読点や括弧も一字と数えますので注意が必要です。

タイトル・書き方
まずタイトルには「通知書」と書きます。

そして「いつ」「何を」「いくらで購入(契約)し」「その契約を解除する」といった事項を簡潔に書くのが一般的です。

また既に代金を支払っているなら返金を請求する旨や、すでに商品の引き渡しを受けている場合は、商品の引き上げを請求する旨も必要になります。

その他、当然ながら日付や差出人の住所・氏名・捺印、受取人の住所・会社名・氏名なども必要です。

内容証明郵便は一度送ってしまうと後で訂正はできませんので、申込み・契約書面を確認の上、正確に記入する事が必要です。
誤りがあるともし裁判になった場合に主張や請求の根拠に疑いを持たれる事にもなりかねませんので、不安な方は法律家に相談する事をおすすめします。


今日のちょことじじ

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この後、じじがちょこに飛びつきます。

クーリングオフ [クーリングオフ]

契約解除の法律相談を久しぶりに受けたので、基本的なものを紹介します。

クーリングオフ以外の解約・救済制度

中途解約制度
エステ・語学教室・学習塾・家庭教師などのように長期間にわたるサービス(特定継続的役務提供契約)は、クーリングオフ期間経過後であっても、特別な理由なく、一定の解約手数料を支払うことで中途解約できる場合があります。

契約の取り消し
不実告知 重要な事項について事実は異なる説明をされたために、誤認して契約を締結した場合には、契約取消ができます。(消費者契約法4条1項1号)

断定的判断の提供 
例えば「絶対に儲かる」などと断定的なことを説明されたことで、誤認して契約を締結した場合には、契約取消ができます。(消費者契約法4条1項2号)

不利益事実の不告知
 自分にとって都合の良い、有利なことのみを説明され、不利益となる事実の説明をされなかったことで、誤認して契約を締結した場合には、契約取消ができます。(消費者契約法4条2項)

不退去
 業者に「帰ってくれ」などと退去するように求めたにもかかわらず、退去しないために、困惑して契約を締結した場合には、契約取消ができます。(消費者契約法4条3項1号)

退去妨害(監禁) 
業者に「帰りたい」などと退去したいことを申し入れたもかかわらず、監禁などの退去妨害をされたために、困惑して契約を締結した場合には、契約取消ができます。(消費者契約法4条3項2号)

詐欺 
業者にだまされ、誤解させられて契約をした場合には、契約取消ができます。(民法96条)

強迫
業者に脅されて恐くて契約してしまった場合には、契約取消ができます(民法96条)

未成年者取消権 
親(親権者など法定代理人)の同意を得ずに未成年者が締結した契約は、取消できる場合があります。ただし、未成年(20歳未満)でも結婚している場合には法律上は成年者として扱われますので、この場合には契約取消はできません。

契約の無効
消費者契約法による一部無効
契約内容全体ではありませんが、以下の内容のように事業者に著しく有利な特約や、消費者に著しく不利な条項は無効となる場合があります。
1.事業者の損害賠償責任を免除する条項 (消費者契約法8条)
2.消費者が負担する損害賠償の予約や違約金を定める条項 (消費者契約法9条)
3.消費者の利益を一方的に害する条項 (消費者契約法10条)

公序良俗違反
公序良俗とは、「社会的妥当性」という意味で、契約内容や契約方法が社会通念に照らして不当な場合には、公序良俗違反として契約無効になる場合があります。(民法90条)

錯誤
錯誤とは、「勘違い」という意味で、契約内容の重要な部分に錯誤があった場合には、契約無効になります。
ただし、ちょっと注意していれば勘違いを防げたような場合(これを重大な過失といいます)には契約無効を主張できません。(民法95条)


今日のじじ
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子供にバンバン叩かれて不機嫌な じじ

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