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民法第300条 留置権の行使と債権の消滅時効 [民法251条~300条]

民法第300条 留置権の行使と債権の消滅時効

留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げない。


解説
留置物を留置しているだけでは、被担保債権そのものを行使しているとはいえないため消滅時効の進行を妨げません。

留置物の返還請求訴訟において、留置権者が留置権の存在を主張して引渡しを拒否した場合、留置権の行使とともに被担保債権の行使もあったものとして、訴訟係属中は時効が中断し、訴訟終結後6か月以内に他の時効中断事由が生じれば、時効中断の効力は維持される(留置権の抗弁が153条の裁判上の催告に当たる。最判昭38.10.30)。
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民法第252条 共有物の管理 [民法251条~300条]

民法第252条 共有物の管理

共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。


解説
利用行為とは、使用収益の方法についての協議、共有物の賃貸、また賃貸借契約の取消、解除はこれにあたり、持分の過半数でできます。
これに対し、売買の取消・解除は全体の処分として変更にあたるため、共有者全員の同意が必要になります。

1.「管理」とは、共有物の変更を伴わない利用・改良行為をいう。共有物の賃貸借契約の解除(最判昭39.2.25)や、土地の地目転換を伴わない共有地の整地などがこれにあたる。

2.「保存行為」とは、共有物の修補、妨害排除等、共有物の現状を維持する行為をいう。共有地の不法占拠者に対する妨害排除・明渡請求は保存行為にあたる(大判大7.4.19)。
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民法第299条 留置権者による費用の償還請求 [民法251条~300条]

民法第299条 留置権者による費用の償還請求

留置権者は、留置物について必要費を支出したときは、所有者にその償還をさせることができる。

留置権者は、留置物について有益費を支出したときは、これによる価格の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。
ただし、裁判所は、所有者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。


解説
期限の付与
留置権者が留置物について支出した有益費の償還請求権に基づく留置権は,償還請求権に期限の許与が認められれば,成立しない(民法299条2項但書)。

留置権の行使中
Aは,Bの債務不履行を理由に賃貸借契約を解除したが,Bは,解除前に支出した有益費の償還請求権に基づく留置権を行使して,甲建物を占有していた場合,Bが解除後に更に修繕費(必要費)を支出したときは,Bは,この修繕費の償還請求権のためにも甲建物を留置することができる(民法299条1項・2項本文)。

留置権者が必要費の償還請求権を被担保債権として建物を留置中、留置物について更に必要費を支出した場合は、既に生じている費用償還請求権と共に、当該建物について留置権を行使することができる(最判昭33.1.17)。



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民法第298条 留置権者による留置物の保管等 [民法251条~300条]

民法第298条 留置権者による留置物の保管等

留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならない。
留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。
留置権者が前二項の規定に違反したときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができる。


解説
留置権者のよる目的物の保管は、あくまでも債権担保のためであり、債権が弁済されると目的物を返還すべき義務を負うことから民法は善管注意義務を負わせるとともに、目的物を使用、賃貸、担保に供しない義務を課しました。

「保存に必要な使用」とは、この権利は保管義務の履行として認められるものであるため、留置権者の義務でもあり、留置権者に利得させることを目的とするものではありません。
判例では、借家の場合につき、家屋の賃貸借が終了した後も、賃借人が家屋について留置権を有するときは、引き続き家屋に居住することができる(大判昭10.5.13)。

本条の義務違反により、直ちに留置権が消滅するわけではない。損害の有無を問わず(最判昭38.5.31)、債務者(所有者)は留置権の消滅を請求することができる。
当該請求権は形成権であるので、一方的意思表示によってすれば足り、留置権者の承諾は要しない。

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民法第297条 留置権者による果実の収取 [民法251条~300条]

民法第297条 留置権者による果実の収取

留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。
前項の果実は、まず債権の利息に充当し、なお残余があるときは元本に充当しなければならない。


解説
果実とは、天然果実と法定果実の両方を含みます。

留置物に果実が生じた場合、留置権者はそれを収取し、金銭以外の物は競売に付し、他の債権者に優先して自己の債権の弁済に充当することができる。

弁済の順序は、利息に充当し、次に元本に充当する。
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民法第296条 留置権の不可分性 [民法251条~300条]

民法第296条 留置権の不可分性

留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。


解説
不可分性とは、留置権に限らず全ての担保物権に共通する性質で、物権の通有性といわれています。

留置権者は、留置物の一部を債務者に引き渡した場合においても、特段の事情のない限り、債権の全部の弁済を受けるまで、留置物の残部につき留置権を行使することができる(最判平3.7.16)。
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民法第295条 留置権の内容 [民法251条~300条]

民法第295条 留置権の内容

他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。

前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。


解説
「他人の物の占有者」とは、留置権者が目的物を占有することである。

留置権の要件
1、債権と物との牽連性(「その物に関して生じた債権を有する」)
2、債権が弁済期にあること
3、留置権者が他人の物を占有していること
4、占有が不法行為によって始まったものでないこと(2項)

この4つの要件を充たせば留置権は成立します。


他人の物(動産及び不動産)を占有する者が、その物に関して生じた債権を有し、その債権が弁済期にあるときは、弁済を受けるまで、債務者のみならず第三者に対しても、物の留置(占有継続)を主張することができる。

物に関して生じた債権を有していても、占有が不法行為によって開始された場合と、始めは適法であったが不適法な占有になった後に債権を取得した場合には、留置権は成立しない。
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民法第294条 [民法251条~300条]

民法第294条
共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。


解説
この法律において「入会権」とは、民法(明治二十九年法律第八十九号)第263条 及び第294条 に規定する入会権をいい、「入会林野」とは、入会権の目的となつている土地で主として木竹の生育に供され又は採草若しくは家畜の放牧の目的に供されるものをいい、「入会権者」とは、入会林野につき入会権に基づいて使用又は収益をする者をいう。
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民法第293条 [民法251条~300条]

民法第293条
地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する。


解説
例:地役権者が幅1.5m幅の通行地役権を有している場合において、1m幅の道路しか行使しなかった場合、0.5mについて地役権が時効消滅する。

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民法第292条 [民法251条~300条]

民法第292条

要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。


解説
条文のとおり地役権は時効取得しやすく時効消滅しにくくなっています。


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