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保佐・補助 [は行]

保佐開始の審判があったときには被保佐人に保佐人が、補助開始の審判があったときには被補助人に補助人がそれぞれ付けられ、その選任・解任等については多く後見人の規定が準用されています。

保佐人・補助人についても後見監督人に類する保佐監督人・補助監督人、また特別代理人に類する臨時保佐人・臨時補助人の制度が立てられています。

被保佐人・被補助人の要保護性の補完は民法13条1項に規定されている重要な法律行為の全部または一部について同意を与えることにあり、したがって保佐人・補助人の職務内容は、被保佐人・被補助人が上記の重要な法律行為をすることについての同意権または本人の同意に基づく代理権の行使にあります。

夫婦法における関係法の厳格性と保護法の非厳格性の内部矛盾から、内縁の夫婦にかかる要保護性の補完法として判例内縁法を顕著に形成させていますが、これと同理に基づき親子法の側面では事実上の養子、協議の親族法の側面でも事実上の未成年後見の現象を生じさせざるを得ません(すべての孤児に未成年後見人の適用を受けているに留まることが一般に見受けられます。この事実上の未成年後見人には、法定代理権も法律行為の同意権もなく、法定代理人が必要となる場合になって未成年後見人の選任の請求が家庭裁判所に申し立てられるのが実情です)

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扶養 [は行]

扶養とは、親族間に分配されている要保護者に対する経済的給付をいいます。

夫婦相互間および親の未成熟の子に対するものは、その給付内容が高度となっていますが(その関係発生の直接・能動性に基づきます)、その他の親族間(成年同士の親子の場合を除きます)にあっては低度なものとされています。

前者の場合は生活保持の義務と称され、一皿の飯と雖いえども分かち合わなければならないものとされ、後者の場合は生活扶助の義務と称され、自らが食べてゆとりのある場合に付与する義務が成立するものとされます。

直系血族と兄弟姉妹間には相互的に扶養期待権が与えられ、要保護性の生起により一方から他方への扶養請求権が現実に発生します(現実に扶養しあうという関係に立つ場合はなく、常に一方は扶養権利者、他方は扶養義務者として相対します)。

特別の事情があるときには家庭裁判所は申立てに基づき、前記を除く三親等内の親族間に創設的に扶養の権利義務を負わせることができます。

扶養の権利・義務者が数人存するときに扶養を受けるべき者、扶養をすべき者の順序は当事者の協議により、協議が調ととのわないときは申立てによって家庭裁判所がこれを決定します。

扶養の程度・方法についても、同様です。

扶養を受ける権利は、権利の性質上他人に譲渡したり、担保に入れたり、差押えをしたりすることが禁止されています。

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文書提出義務 [は行]

当事者の一方が証明すべき事実を文書で証明しようとするときに、自分がその文書を所持しているときには、それを提出すればよいが、相手方や第三者が所持しているときには、その所持者に対して提出すべきことを裁判所が命令してくれるように申し立てることができます。

その場合でも、その所持者に文書提出義務があることが前提です。

その文書提出義務は、旧法では限定義務とされていたが、新法では220条の4号が規定しているように、証人の義務と同じように一般義務とされました。

それだけに、証言拒絶権が認められている事項が記載されている文書と自分の使用のためにだけ作成した文書は、その一般義務から除外されています。

ただ、その4号文書の提出命令の申立ては、証明のためには、どうしても、提出命令によらなければならない場合に限られています。

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文書不提出の効果 [は行]

裁判所が文書の所持者に対して、その提出を命じたのにもかかわらず、文書を提出しない場合(その文書を滅失など使用できなくさせたときも同じ)、224条は1項と3項に分けて、その効果を規定しています。

まず、1項では、文書提出命令の申立人が、文書の記載内容を知っているために、その内容を具体的に主張できる場合には、「当該文書の記載に関する主張」(売買契約書であれば、その契約書が存在すること、それに申立人が作成者であると主張している者、例えば原告と被告が作成したこと、また、その売買の目的物、代金の金額、支払期日など)を事実と認めることができるとしました。

3項では、申立人が文書の記載内容を知らないために具体的に主張することが著しく困難で、また、この文書によって証明しようとする「事実」(売買契約の締結)が、この文書以外の証拠で証明することが著しく困難であるときは、その「事実」についての申立人の主張を真実と認めることができることになりました。

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物的編成主義 [は行]

登記を編成する方法として、その所有者とは関係なく、土地・建物を基本として、1つの土地・建物に1つの登記記録を当てて登記を編成するしくみをいいます。
 
これに反して、その所有者を基本として1人ごとに1つの登記記録を当てて登記を編成するしくみを人的編成主義といいます。

人的編成主義はフランスで行われていますが,物的編成主義は多数の国で行われ、わが国の登記も物的編成主義をとっています。

つまり、一筆の土地、一個の建物ごとに一つの登記が作られています。

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弁論の全趣旨 [は行]

民訴法は二つの異なった概念として用いている。

一つは擬制自白の成否の判断基準としてであり、もう一つは証拠原因としてです。

ここでは後者について述べます。

証拠調べの結果以外の、口頭弁論に現れたすべての資料・状況をいいます。

当事者の主張の内容だけではなくて、その主張の仕方(例えば、あやふやな態度、陳述の撤回・訂正、時機に遅れて提出したことなど)や釈明処分としてなした検証・鑑定、それに調査の嘱託の結果などのすべての事情です。

裁判所は当事者の一方が主張し、相手方から争われた事実の存否を判断するのに、このような弁論の全趣旨を利用することができます。

つまり、これだけで、事実を認定することができるし、あるいは証拠調べの結果を補充するために利用することもできる。

更には、証拠調べの結果よりも、弁論の全趣旨を重視して心証を形成することができます。

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本証と反証 [は行]

本証とは、当事者の一方が、自ら立証責任を負担している事実を証明するために提出する証拠をいいます。この事実の存否については、裁判官に確信を抱かせる程度まで証明しなければならず、もし、その程度までに達しないときは、立証責任の負担によって、不利益に判断されます。

これに対して、反証とは、立証責任のない当事者が相手方当事者の立証責任を負う事実を否定する目的で、それと反対の事実を証明するために提出する証拠をいいます。

本証が目的を達するためには、要証事実について裁判官に確信を抱かせなければならないが、反証は、反対の事実について裁判官に確信を抱かせる必要はなく、本証による裁判官の心証形成を妨げまたは動揺させ、その事実について真偽不明の状態に持ち込む程度で、その目的を達することができます。

これによって相手方の本証による要証事実の証明は失敗し、立証責任の原則に従って、その相手方が不利益な判断を受ける結果になるからです。

本証・反証の区別は、その提出者の立証責任の有無によるのであって、原告・被告の地位によるものではありません。

例えば、抗弁を提出した被告はその抗弁事実について立証責任を負い、それを証明するため被告の提出する証拠は本証であり、この抗弁事実の立証を妨げるために、原告の提出する反対事実の証拠は反証です。

反証は本証と同時に、または事後になされます。
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振替株式 [は行]

振替株式とは 「社債、株式等の振替に関する法律」に基づき、振替決済の対象とされる株式のことです。
 
この法律によって新たに導入された株式の振替制度は、株券を発行しないことを前提として、口座振替によって株式の移転をおこなうしくみです。
 
振替株式は、株券を発行しない旨の定款の定めのある会社(譲渡制限会社を除きます)の株式で、振替期間が取り扱うものです。

この意味における振替株式についての権利の帰属は、振替口座簿の記載・記録によって定まります。
 
振替株式に係る権利の設定・移転等は、口座を通じた口座振替によって行われます。

すなわち、振替株式の譲渡は、振替の申請により、譲受人が当該口座における保有欄に当該譲渡に係る数の増加の記載・記録を受けなければその効力を生じません。

加入者は、当該口座(口座管理機関の口座では、自己口座に限ります)における記載または記録がされた振替株式についての権利を適法に有するものと推定されます。
 
また、振替株式に係る株主名簿の名義書換は、振替機関からの「総株主通知」によってのみ行われ、実質株主名簿は採用されてません。

これに対し、個別株主通知制度は、期中の少数株主権行使のため認められています。

振替決済に際して、超過記載または記録がなされ、善意取得が生じた場合には、超過記載または記録をなした振替機関等が消却義務を負うことになります。

また、義務不履行の場合に関する措置、超過部分に係る株式を発行者が誤って消却してしまった場合の措置についても相応の手当てがなされています。

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復代理 [は行]

代理人は委任、雇用などの実質関係に基づき代理権を持つばかりでなく、多くの場合、本人に対し代理行為をしなければならない義務を負います。

しかし時と場合によっては、この義務を代理人自身で果たすことのできないこともあり得ます。

復代理人の制度は、そうした場合に備えたもので、その特色は次のとおりです。

第一に、代理人は、自己の名で復代理人を選任するのであり、したがって、復代理人の選任は代理行為ではありません。法定代理人は、自己の責任で、いつでも復代理人を選べるが、任意代理人は本人の許しがあるか、やむを得ない事由がある場合に限り復代理人を選任できます。

その反面、任意代理人は復代理人の選任・監督について過失がある場合に限り、責任を負うにとどまります。


第二に、復代理人は、代理人の代理人ではなく、本人の代理人であり、したがって、復代理人の代理行為の効果は、直接本人に及びます。


第三に、復代理人は、代理人との内部関係に基づき、代理人の監督に服するのは当然だが、更に、本人との間に、代理人・本人間の内部関係(委任・雇用等)と同一の関係が生じます。

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別件逮捕 [は行]

ある者について犯罪の容疑はあるが、その件(本件)で逮捕に踏み切るだけの決め手が得られていない場合に、それとはまったく別の容疑(別件)で逮捕して、そのうえでゆっくり本筋の事件を取り調べて自白を得ようとする捜査のやり方です。

このようなやり方は、帝銀事件、三億円事件などでとられ、特に後者では失敗したために問題となりました。

裁判所は、別件逮捕即違法とは考えていないようで、むしろ、①逮捕が本件の調査のためだけに使われたわけではない、②別件事態が逮捕に十分値するものである、という条件つきで、合法と考えているが、学説からの批判は強いです。

つまり、逮捕はあくまで本件を基準にすべきで、そうでないと令状主義の原則が無になってしまいます。

身柄拘束の法廷期間を潜脱することになる、弁護人選任権を害する、かかる違憲・違法な手続で得られた自白は証拠としての価値を否定すべき、といいます。

下級審の判例では、蛸島事件(昭和44)、東京ベッド事件(昭和45)、六甲山事件(昭和46)、水巻事件(昭和46)等において、本件基準説に立脚して実質的考察がなされています。

論点は多々あるが、基本的には真実発見の前には少々行きすぎもやむを得ず、といった捜査における自白偏重の一掃といったデュー・プロセスの問題です。

いわゆる別件勾留も、まったく同じ問題を含んでいます。

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