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義父の相続権の問題 [相続]

相続の問題です。

夫(長男)は、早くに亡くなり、その後、夫の両親(義父、義母)と一緒に暮らし、20年以上面倒をみています。義父が亡くなったときには、長男の妻である私にも遺産を相続する権利はあるのでしょうか?

答え
義父と養子縁組をしている場合を除いて、子の妻には義父の遺産を相続する権利は一切ありません。長男の妻から見た義父とは、配偶者(夫)の父(直系尊属)であるのに過ぎません。
そこに親子関係は存在しませんから、遺産を相続する権利もないわけです。

この場合、遺言や贈与などで遺産を取得する以外方法がありません。

相続分譲渡 [相続]

相続が開始することにより、各共同相続人は、相続財産に対して、その相続分に応じて持分を有します。そして、遺産分割協議前であれば、各共同相続人はその有する持分を、他の共同相続人(または、第三者)に譲渡することができます。

相続分の譲渡について直接の規定はありませんが、相続分の取戻権(民法905条)において「共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したとき」とあることから、相続分の譲渡が可能であるとされています。


相続分譲渡証明書の書式はつぎのとおり。



                  相続分譲渡証明書

最後の本籍
最後の住所 
被相続人   甲 (平成  年  月  日死亡)

私は、上記甲の相続人であるところ、私の有する相続分の全部を下記の者に譲渡します。

平成  年  月  日

相続人 住所 
    氏名            (実印)

譲受人 住所
    氏名              殿

被相続人の口座解約 [相続]

被相続人の口座を解約する場合、銀行は次の書類の提出を求めます。

・預金名義書き換え依頼書(銀行に備え付け)
•被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
•相続人全員の戸籍謄本
•相続人全員の印鑑証明書
•被相続人の預金通帳、キャッシュカード
•遺産分割協議書(不要な場合もある)

上記提出ができない場合、例えば、相続人の遺産分割協議がまとまらない場合は、いつまでたっても銀行預金の相続ができないことがあります。

このような時、自分には法定相続分で何分の1は権利があるのだから、その分だけ銀行預金を解約しようとする方がいますが、ほとんどの銀行では、法定相続分だけの解約というのは認めていません。

全員の遺産分割協議がまとまるか、調停等で決着がつくまでは、預金の解約はしてもらえません。

なぜなら、銀行としては、遺産相続の争いに巻き込まれたくないからです。

特別縁故者 [相続]

特別縁故者とは、 相続人ではないが、 亡くなった人と特別の関係があった者を言います。

例えば、内縁の妻がその代表例です。

内縁の妻とは、役所に婚姻届を提出していないが事実上の婚姻関係にあることをいいます。

そのため、法律上は妻ではないため、 夫と名字は異なるし、戸籍も異なります。

したがって、相続財産をもらう権利はありません。

しかし法律上の相続人がこの世に誰もいない、 ということが確定したのなら、 内縁の妻に相続財産を分け与えてもよい、 という法律が作られました。

このような内縁の妻のことを、 「特別縁故者」 と呼びます。

注意しなければならないのは、 内縁の妻がすべて特別縁故者になれるわけではありません。

あくまで相続人がこの世にまったくいないと認められたときだけ、 特別縁故者が相続財産をもらうことができるのです。

内縁の妻でなくても、 特別の人間関係があれば、 特別縁故者として認められることもあります。

内縁の妻の相続の可否 [相続]

内縁の妻(夫)とは事実上の婚姻関係にありながら、婚姻届を出していない妻または夫のことを言います。

事実上の婚姻状態にありながら婚姻届を提出する提出しないは自由であり、婚姻届を提出しなければならないという法律上の義務はありません。

ただし婚姻届を提出しないと、法律上は「妻」「または「夫」とみなされません。

そのため結婚していることによる税制面での優遇制度、保険、年金などの優遇制度を受けることはできません。

相続における配偶者というのは、婚姻届を提出して夫婦となったもののことを言います。

そのため、内縁の妻(夫)は相続をすることができません。

何十年にもわたって事実上の夫婦として生活しようとも、婚姻届を提出していない以上、内縁関係のままでは夫婦として相続することは認められません。


家督相続 [相続]

家督相続とは、戸籍上の家の長としてこれまで戸主がもっていた地位(一身に専属するものを除いた一切の権利義務)を、 次に戸主となる者が1人で承継することで、嫡出長男子による単独相続することを言います。

家督相続とは兄弟が何人いようと、基本的には長男が家督相続人となり、家の財産をすべて受け継ぐということです。

そしてこの家督相続は明治31年7月16日に施行され、戦後の民法改正がなされる昭和22年5月2日の相続まで有効でした。

昭和22年5月3日以降の相続は、新しい民法での相続が適用されるようになります。

現行民法では、相続は死亡によってのみ開始されますが、家督相続では必ずしも戸主の死亡によってのみ発生するわけではありません。

隠居や入夫婚姻、国籍喪失といった戸主の生前中に家督相続が発生することもあります。

隠居とは・・・戸主が家督を他の者に譲って隠退すること

入夫婚姻とは・・・夫となる者が女戸主である妻の家に入る婚姻のこと(または夫が離婚して家を出たとき)

※戸主以外の相続は死亡によってのみ発生し、隠居等は認められません。

この家督相続では長男がすべて相続するのが大原則ですが、仮に長男がいなかった場合であっても、誰を相続人とするか明確なルールがありました。

その順番は次の通りです。
•第1順位→被相続人(前戸主)の直系卑属。複数いる場合は、被相続人と親等が近い者。
•第2順位→被相続人(前戸主)が生前(または遺言)によって指定した者。
•第3順位→被相続人(前戸主)の父母や親族会が同籍の家族の中から選定した者。
•第4順位→被相続人(前戸主)の直系尊属(父母や祖父母、曾祖父母等)。
•第5順位→被相続人(前戸主)の親族会が親族・分家の戸主、本家・分家の家族もしくは他人の中から選定した者。

遺産分割 書式 [相続]

                遺産分割協議書


     本籍
     最後の住所

     被相続人 甲   (昭和  年  月  日生)
              (平成  年  月  日死亡)

   被相続人甲の相続財産につき、共同相続人らは遺産分割協議の結果、次のとおり分割した。


 1. 相続人Aは、次の相続財産を取得する。

  (1)所 在  
     地 番   番
     地 目  
     地 積   ㎡

  (3)上記家屋内の家財・家具・現金その他一切の財産

  (4)○○銀行○○支店 普通預金 口座番号123456

 2.相続人Bは、次の遺産を取得する。

  (1)○○銀行○○支店 普通預金 口座番号765432
     (相続開始日の残高)金1867万3672円

  (2)株式会社○○  普通株式 1000株

 3.祭祀は、Aが承継する。

 4.共同相続人A、B、Cは、共同して、次の不動産を売却し、その売却代金から売却に要する
  一切の費用を控除した残額をA4分の2、B4分の1、C4分の1の割合に従って取得する。

  (1)所 在  
     地 番    番
     地 目  
     地 積    ㎡


 本遺産分割協議の成立を証するため、本協議書3通を作成し、各自1通を保有する。


  平成  年  月  日

          住   所  

          氏   名  A     印


          住   所  

          氏   名  B     印


          住   所 

          氏   名  C     印

無権代理と相続 [相続]

無権代理人が本人を相続した場合

①無権代理人が単独相続した場合
 判例は「本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当」(最判昭和40・6・18民集19巻4号986頁)として当然に有効なものとしている。

②無権代理人が他の相続人とともに共同相続した場合
 判例は本人の追認権は全ての共同相続人に不可分的に帰属するとして、「他の共同相続人全員の追認がない限り、無権代理行為は、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではない」(最判平成5・1・21民集47巻1号265頁)とする。

③本人による追認拒絶後に無権代理人が本人を相続した場合
 判例は「本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではない」としている。

④本人が無権代理人を相続した場合
 判例は相続人である本人が無権代理行為について追認を拒絶しても信義則には反しないとして、「被相続人の無権代理行為は一般に本人の相続により当然有効となるものではない」(最判昭和37・4・20民集16巻4号955頁)とする。
 ただし、判例は本人が無権代理人を相続する場合にも相続の対象には民法第117条による無権代理人の債務が含まれるので、この債務については「本人として無権代理行為の追認を拒絶できる地位にあつたからといつて右債務を免れることはできない」とする(最判昭和48・7・3民集27巻7号751頁)。

相続資格の重複   [相続]

相続資格の重複とは、1人の相続人に相続資格が複数帰属することです。

養子縁組や婚姻などにより、相続人と被相続人との間に二重の異なる親族関係が成立する場合が
あります。

その場合、相続分が加算されるかどうかが問題となります。

一般的には、このような場合それぞれの身分関係は、特にそれを廃除する趣旨の規定が無ければ
個別に有効に存在し、相続の関係でも個別にそれぞれの資格で相続権の主張が認められています。


事例1 子と代襲相続人の重複  

被相続人Aには、相続人BCがおり、Bの子D(Aの孫)という家族関係を事例とします。

AがDを養子とし、BがAの相続発生前に死亡していた場合は、Aの相続に関してDは、子(養子)としての相続資格とBの代襲相続資格とが重複します。

このケースでは、Dに相続分の加算を認めています。
子(養子)としての3分の1及び代襲相続人としての3分の1を合算した3分の2が相続分となります。

相続欠格の事例 [相続]

相続欠格の事例

遺言への不当な干渉行為により相続欠格となった場合は、不当な干渉をした被相続人の相続について欠格者となり、他の被相続人の相続については影響しません。 

例えば、父の遺言を偽造した子は、父の相続について欠格者となり相続することはできませんが、母の相続については相続することができます。
 
ただし、生命を侵害する①の規定については、以下のようになります。
長男が父親を殺した場合、父親の相続については、被相続人本人を殺しているので相続権は当然なくなり、長男の子である孫Aが代襲相続します。

祖父が死亡した場合、父が死亡しているので、父が相続するはずの祖父の遺産は、長男、次男、長女が相続しますが、父は長男より先順位の相続人なので、①の「先順位の相続人を死亡させた」に該当し、祖父母の相続についても長男は欠格者となり、長男の子である孫Aが代襲相続します。

母親が死亡した場合について、殺害された父は、長男と同順位の相続人なので、①の「同順位の相続人を死亡させた」ことに該当し、母親の相続についても長男は欠格者となり、長男の子である孫Aが代襲相続します。

配偶者や子がいない長男の子である孫Aが死亡すると、相続人は直系尊属(父母や祖父母)となり、殺した父は長男より後順位なので長男は配偶者とともに相続人となることができます。
また、長男は配偶者の相続人となることもできます。


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