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民法第398条の4 根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更 [民法351~400条]

民法第398条の4 根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更

元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。
前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
第1項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。


解説
根抵当権は、基本契約から切り離された存在であり、被担保債権から独立した極度額という枠の担保価値支配権であることから、根抵当権者と設定者との合意で、自由に、第三者の承諾なく、被担保債権の範囲と債務者を変更することができる。

債権の範囲を変更すると、変更によって定めた債権の範囲に属する債権だけが根抵当権によって担保されることになる(変更前から生じているものも含まれる)。

債権の範囲を特定債権だけに変更することもできる。

債務者を変更すると、変更後の債務者に対する債権の範囲に属する債権だけが担保されることになる(変更前から存在するものも含まれる)

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民法第398条の3 根抵当権の被担保債権の範囲 [民法351~400条]

民法第398条の3 根抵当権の被担保債権の範囲

根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。

債務者との取引によらないで取得する手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。

ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。

債務者の支払の停止
債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て
抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え


解説
本条は、民法375条の例外規定であるので、同条【満期となった最後の2年分についてだけ抵当権を行うことができる旨の規定】は適用されない。根抵当権者は、極度額までは無制限に優先弁済を受けることができるが、極度額を超えては一切受けられない。

被担保債権があれば、極度額まで無制限に優先弁済が受けられるのが原則であるが、回り手形・小切手については制限される。

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民法第398条の2 根抵当権 [民法351~400条]

民法第398条の2

抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。

前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。

特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権又は手形上若しくは小切手上の請求権は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。


解説
根抵当権とは、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する抵当権をいう。
不特定とは、元本が確定するまではどの債権が担保されるかが特定されない、という意味である。
基本契約は必要ないが(附従性の否定)、被担保債権の範囲は限定することを要し、債権者・債務者間の一切の債権を担保する包括根抵当権は認められない。
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民法第398条 抵当権の目的である地上権等の放棄 [民法351~400条]

民法第398条 抵当権の目的である地上権等の放棄

地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができない。


解説
398条の趣旨は、抵当権設定者が、抵当権者の同意なしに抵当権の目的となっている権利を消滅させることを防止して、抵当権者を保護することです。

自己の地上権に対して他人に抵当権を設定させておきながら、抵当権の存続の基礎となる地上権を自ら放棄するというのは公平の観点から考えて許されるものではなく、398条は、そのような権利の放棄をしたとしても、その放棄を抵当権者に対抗することができないとしたのです。

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民法第397条 抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅 [民法351~400条]

民法第397条 抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅

債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。


解説
不動産の時効取得は「原始取得」となり、何の制約や負担のない完全な権利を取得することを意味します。
民法397条は、債務者と抵当権設定者について例外を規定したもので、債務者と抵当権設定者の場合は、その者が取得時効によって不動産の所有権を取得したとしても、抵当権は消滅しないと規定しています。

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民法第396条 抵当権の消滅時効 [民法351~400条]

民法第396条 抵当権の消滅時効

抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。


解説
抵当権は民法第167条2項で、被担保債権が時効消滅していなくとも20年経過すると消滅時効によって消滅するが、これの援用権者について、債務者または抵当権設定者が認められない、というのが396条の趣旨である。

債務者または抵当権設定者以外の、抵当不動産の第三取得者や後順位抵当権者は抵当権の消滅時効を援用することができる。

抵当不動産の第三取得者については被担保債権の消滅時効を援用することができるが、被担保債権の時効の進行が中断されても抵当権の消滅時効を援用することができる。

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民法第395条 抵当建物使用者の引渡しの猶予 [民法351~400条]

民法第395条 抵当建物使用者の引渡しの猶予

抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者
二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者

前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。


解説
抵当権の実行により建物が競売されると、抵当権に対抗できない建物賃借権は買受人に承継されず、賃借人は建物を明け渡さなければならない。この場合、抵当権に対抗できない建物賃借権で次に掲げる建物使用者については、買受人の買受け(代金納付)のときから6か月を経過するまでは、明渡しが猶予される。

明渡猶予期間中、建物使用者は買受人に使用料を支払わなければならない。明渡猶予期間中に使用料の不払いが生じたときは、買受人が相当の期間を定めて1か月分以上の支払を催告し、その相当の期間内に支払いがない場合には、明渡猶予は適用されなくなる。
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民法第394条 抵当不動産以外の財産からの弁済 [民法351~400条]

民法第394条 抵当不動産以外の財産からの弁済

抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる。
前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。この場合において、他の各債権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。


解説
抵当権者と一般債権者の平等を図るために、一般債権者に抵当権者による一般財産の強制執行に対して、異議を申し立て、まず抵当不動産を競売して、それでも足りなかった分についてだけ一般財産に対してもかかっていくことができるように主張する権利を認めています。
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民法第393条 共同抵当における代位の付記登記 [民法351~400条]

民法第393条 共同抵当における代位の付記登記

前条第2項後段の規定により代位によって抵当権を行使する者は、その抵当権の登記にその代位を付記することができる。


解説
競売された不動産の後順位抵当権者は、代位した抵当権について転抵当等の処分を受けた者や、不動産を譲り受けた第三者に対する関係では、代位の付記登記をしていなければ抵当権の代位を対抗できない。
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民法第392条 共同抵当における代価の配当 [民法351~400条]

民法第392条 共同抵当における代価の配当

債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。

債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができる。この場合において、次順位の抵当権者は、その弁済を受ける抵当権者が前項の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として、その抵当権者に代位して抵当権を行使することができる。


解説
同時配当は同一の競売手続で代価を配当する場合ですが、その場合は、共同抵当権者は競売代金から任意に弁済を受けることはできず、「各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する」ことになります。

異時配当の場合は、まず共同抵当権者は特定の不動産の競売代金から債権の全部の弁済を受けることができます。

判例
392条1項の規定(同時配当における負担割付)は、後順位抵当権者がいない場合であっても適用される(大判昭10.4.23)。

異時配当の場合の後順位抵当権者の代位権は、債務者所有の数個の不動産の間で認められる制度である(最判昭53.7.4)。

共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合にも、392条2項後段は適用される(最判平4.11.6)。

異時配当で、先順位抵当権の全部が弁済されなかった場合でも、後順位抵当権者は代位できる(大判大15.4.8)。


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