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民法第30条 失踪宣告 [民法1~50]

第30条(失踪の宣告)

1 不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。

2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。


解説
民法上の不在者のうち、失踪者の従来の住所等の地における法律関係の取り扱いに関する規定です。また、不在者の生死がはっきりしない場合、相続人は、不在者の財産の相続を始めることができません。

このような事態を避けるため、利害関係人の請求があったときに、普通失踪(第1項)では7年間、特別失踪(第2項)では1年間の失踪期間を定め、それぞれ生死不明の期間が継続した場合に家庭裁判所が失踪の宣告をし、その者を死亡したものとみなします。


利害関係人
利害関係人とは、法律上、特別の利害関係をもつ者をいい、配偶者や推定相続人、受遺者、親権者、不在者の財産管理人、終身定期金の債務者など、法律上の利害関係を有する者をいいます。


今日の ちょことじじ

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新年あけまして

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おめでとうございます。

失踪宣告①

失踪宣告の要件

失踪宣告の効果

失踪宣告の取り消し・効果

失踪宣告の取り消し②



民法第29条 管理人の担保提供及び報酬 [民法1~50]

民法第29条(管理人の担保提供及び報酬)

1 家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。

2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。


解説
本項は、管理人による財産の管理や返還の義務の担保について規定しています。

第1項
不在者の管理人が、不在者の財産を自分のために使ったりしてしまった場合に備えて、家庭裁判所は、管理人に担保を提供させることができるとしたのが1項です。

第2項
管理人は不在者の財産の中から相当額の報酬を貰うことがでることを定めたのが2項です。


今日の ちょことじじ
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来年も宜しくお願いします。



民法第28条 管理人の権限 [民法1~50]

第28条(管理人の権限)

管理人は、第103条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、
その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。

解説
不在者の管理人の権限を定めた規定です。

家庭裁判所の許可がなければ、民法103条に規定されている行為しかすることができません。

民法103条
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
1.保存行為
2.代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする
 行為

民法第27条 管理人の職務 [民法1~50]

第27条(管理人の職務)

1 前2条の規定により家庭裁判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。

2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察官の請求があるときは、家庭裁判所は、不在者が置いた管理人にも、前項の目録の作成を命ずることができる。

3 前2項に定めるもののほか、家庭裁判所は、管理人に対し、不在者の財産の保存に必要と認める処分を命ずることができる。


解説
不在者の管理人の職務についての規定です。

民法第26条 管理人の改任 [民法1~50]

第26条(管理人の改任)

不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。


解説
管理人が置かれていた場合であっても、不在者の生死が不明となったときは、不在者による管理人の指揮監督ができなくなります。このように、不在者による管理人の指揮監督ができなくなると、その管理人による財産の管理が不適当となる可能性もあります。

このような状態となった場合、家庭裁判所は、債権者や親族などの利害関係人または検察官の請求により、不在者の財産の管理について、よりふさわしい管理人を改任することができます。


今日の ちょことじじ
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ちょこを噛むじじ

民法第25条 不在者の財産の管理 [民法1~50]

第25条(不在者の財産の管理)

1 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。

2 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。


解説
民法では、不在者や管理人がいないからといって、利害関係者が勝手にその不在者の財産を処分することは、許されません(自力救済の禁止)。

また、不在者が、あらかじめ管理人を置いた場合であっても、本人の不在中に管理人の権限が消滅したり(例えば、財産の管理に関する委任契約が終了した場合)、もともと、不在者が管理人を置いていない場合、家庭裁判所は、債権者や親族などの利害関係人または検察官の請求により、その財産の管理について必要な処置ができます。

「不在者の財産管理(民法第25条)」は、不在者が「生存」しているものとして、不在者の財産管理に必要な処分を財産管理人に命じる制度です。

ちなみに、不在者が生死不明であるか否かは問いません。

相続人中、不在者がいる場合、この相続人(不在者)の生死不明を問わず、この相続人(不在者)に代わる財産管理人を選任し、家庭裁判所の許可(民法第28条)を得て、財産管理人は他の相続人と遺産分割を協議することができます(民法第907条)。

民法第24条 仮住所 [民法1~50]

第24条(仮住所)

ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。


解説
住所の決定方法に関する規定の一つで、特定の行為を行う際に住所が不都合となる場合は、もっと都合の良いところに仮住所を選定し、その行為をおこないやすいようにできます。

本条はいわゆる「みなし規定」であるため、他の場所に住所がある場合であっても、選定された行為についての法的な効果は選定された仮住所に生じます。

民法第23条 居所 [民法1~50]

第23条(居所)

1 住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。

2 日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。ただし、準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は、この限りでない。


第1項の解説
本項は、住所がしれない場合の住所の定義について規定しています。

住所がどこかわからない場合は、住所のように生活の中心の場所とまではいえないまでも、実際に生活している場所(居所)を住所とみなします。

本項はいわゆる「みなし規定」であるため、本項が適用される場合は、反証があった場合であっても、住所についての法的な効果は居所に生じます。


第2項の解説
日本人であろうと、外国人であろうと、日本国内に住所、つまり生活の中心となっている本拠がない者については、日本国内の居所、つまり実際に生活している日本国内の場所を、その者の住所とみなします。

第1項は、住所が不明である場合の規定ですが、第2項は、住所は明らかであっても、その住所が
日本国内にない場合の規定です。

第2項はいわゆる「みなし規定」であるため、外国に住所がある場合であっても、住所についての法的な効果は日本国内の居所に生じます。


準拠法とは?
これは日本の法律が適用されない場合の規定です

まず、「準拠法を定める法律」というのは「法の適用に関する通則法」という法律のことです。
この法律に従うと、日本で裁判をする場合であっても、日本の法律を適用する場合と、外国の法律を適用する場合が出てきます。

たとえば、外国人が取引を行ったり、取引の相手方が外国人である場合も外国法が適用される可能性がありますし、日本人が外国で何かを行った場合にもその可能性はあります。

そして通則法に従うと外国法が適用される場合で、その外国法が日本の民法23条と異なる定めをしていれば、居所以外が住所となる可能性があります。

民法第22条 住所 [民法1~50]

第22条(住所)

各人の生活の本拠をその者の住所とする。


解説
民法22条では、「住所」を「生活の本拠」と定義しています。
また、「住所」の定義について定めた日本の法令は、民法22条だけになります。


住所の効果
1.不在者及び失踪の標準
2.債務履行の場所 持参債務の履行地民法第484条(弁済の場所)
3.相続の開始地
4.手形行為の場所
5.国際私法における準拠法決定の標準
6.裁判管轄の標準


民法第21条 制限行為能力者の詐術 [民法1~50]

第21条(制限行為能力者の詐術)

制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。


解説
未成年者や成年被後見人などの制限能力者がした契約は取り消すことができますが、その未成年者などの制限能力者が詐術を用いて、つまりウソをついて自分は行為能力者であると偽った場合は、たとえ未成年者や成年後見人などの制限能力者であっても契約を取り消すことができなくなります。

例として、未成年者が偽造した免許証などを見せて20歳であると信じ込ませて契約をした場合は、契約を取り消すことができません。

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