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後見人の報酬 [成年後見]

後見人は、後見についての報酬を申し立てることができます。


任意後見制度の場合
任意後見人の報酬は、契約で決めた金額となります。
任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が決めた額となります。


法定後見制度の場合
後見人等の報酬は、裁判所が決めた額となります。


「裁判所が決めた報酬額」とは
•家庭裁判所の審判官が全ての要素を勘案してその額を決定します。

•自動的に支払われることはありません。
*家庭裁判所に対し、報酬付与の申立をする必要があります。

•報酬は、裁判所の報酬付与の決定が出てから、本人の財産の中から支払われます。

後見制度支援信託 [成年後見]

後見制度支援信託は、本人が日常生活で使用する分を除いた金銭を、信託銀行等に信託することで、後見人による本人の財産の横領を防ぐ制度です。


これにより、信託財産を払い戻したり、信託契約を解約したりするには、家庭裁判所の指示書が
必要になり、後見人が勝手に払い戻しや解約をすることができなくなります。


なお、信託財産は元本が保証され、預金保険制度の保護対象になりますが、信託することができる
財産は金銭に限られるので、不動産等を信託することはできません。


また、信託銀行のほとんどが最低1000万円からの利用を前提にしているので、実際には本人に1000万円以上の預貯金がある場合が対象となります。


導入の背景
成年後見制度がスタートした当初は、本人の親族が後見人になるケースがほとんどでした。
本人の一番近くにいる親族がそのまま後見人なることにはメリットもありますが、デメリットも
あります。その、デメリットの一つが、後見人による本人の財産の使い込みです。

後見人によって財産が横領されると、本人が被害を受けるだけではなく、成年後見制度自体の信用がなくなってしまいます。

そこで、この問題を解決するために、最高裁判所が中心となって、日本司法書士会連合会等の関係機関と協議を重ねた結果、平成24年から後見制度支援信託という制度が開始されました。


今日のじじ
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最近のお気に入りの場所みたいです。

後見人の欠格事由 [成年後見]

後見人欠格事由とは?

任意後見制度の場合
契約でお願いされた人(任意後見受任者)が次に掲げる者であるときは、後見人の欠格事由となります。(任意後見監督人が選任されません。)
1. 未成年者
2. 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
3. 破産者
4. 行方の知れない者
5. 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
6. 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

任意後見監督人等の場合
後見人の欠格事由の他、任意後見受任者又は任意後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹も欠格事由になります。


法定後見制度の場合
1.未成年者
2.家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
3.破産者
4.本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族
5.行方の知れない者

法定後見監督人等の場合
上記欠格事由の他、任意後見受任者又は任意後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹も欠格事由になります。

成年後見の取り消し [成年後見]

こんばんは、ちょこじ~です。
最近、成年後見人を辞任したいという相談を受けましたので、後見人の取り消しを紹介します。


成年後見自体を辞めるには後見開始の審判の取消しという方法があります。


1.『本人』が回復して成年後見制度が不要になったとき

 後見(保佐・補助)開始の審判がされている人が、回復し、法定後見制度による保護が必要ない状態に回復した場合は、後見(保佐・補助)開始の審判を取り消します。

具体的には、被後見人が金銭管理も意思疎通もでき、私生活に何の不自由もない場合など、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況が消滅した場合には、本人、配偶者、四親等内の親族等の請求により、家庭裁判所は後見開始の審判を取り消さなければならないことになっています(民法10条・7条)。
 

次に、成年後見人を解任する場合は、以下のようになります。

成年後見人は、成年被後見人の生活・療養看護・財産管理事務を行うにあたり、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない(858条)とされています。

後見人に不正な行為、著しい不行跡、その他後見の任務に適さない事由があるときには、後見監督人、被後見人、被後見人の親族、検察官の請求、又は家庭裁判所が後見人を解任することができます(民法846条)。
 
現実には、後見人による被後見人の財産の不正使用や横領等、よほどのことがない限り解任されることはほとんどありません。



民法第15条 補助開始の審判 [成年後見]

民法第15条(補助開始の審判)

1. 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、
 配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、
 補助開始の審判をすることができる。
 ただし、第7条又は第11条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。

2. 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。

3. 補助開始の審判は、第17条第1項の審判又は第876条の9第1項 の審判とともにしなければなら
 ない。


第1項
認知症、知的障害、精神障害などによって、物事を認識する能力が不十分な者については、家庭裁判所は、次のいずれかの者の請求により、保佐開始の審判をすることができます。
1.本人
2.配偶者
3.4親等内の親族
4.後見人
5.後見監督人
6.保佐人
7.保佐監督人
8.検察官

また、ただし書きにより、第7条に規定する原因がある者=被後見人の要件に該当する者については、被補助人より強く保護する必要があるため、後見開始の審判をしなければなりません。

同様に、第11条に規定する原因がある者=被保佐人の要件に該当する者については、被補助人より強く保護する必要があるため、保佐開始の審判をしなければなりません。

第2項
本人以外の者の請求により、第15条第1項に規定する補助開始の審判をおこなうためには、本人の同意がなければなりません。


第3項
補助人の代理権については、原則として付与されておらず、例外として、第876条の9第1項により、家庭裁判所が付与することができます。

以上のように、補助人の権限を決定するためにおこなわれる、同意を要する行為や代理権の授与の審判は、補助開始の審判とは不可分のものです。
このため、補助開始の審判と同時に、同意を要する行為の決定と代理権の授与の審判もおこなわれます。

保佐開始の審判等の取消し [成年後見]

第14条(保佐開始の審判等の取消し)

1 第11条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、
未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の
審判を取り消さなければならない。

2 家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第2項の審判の全部又は一部を取り消す
ことができる。


認知症、知的障害、精神障害などの物事の認識が著しく不十分な原因が消滅した者については、
家庭裁判所は、次のいずれかの者の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければなりません。

第13条第2項により、第13条第1項各号の行為に加えて保佐人の同意を要するものとされた行為についても、次のいずれかの者の請求により、その全部または一部を取消すことができます。

1.本人
2.配偶者
3.4親等内の親族
4.未成年後見人
5.未成年後見監督人
6.保佐人
7.保佐監督人
8.検察官

保佐人の同意を要する行為等 [成年後見]

第13条(保佐人の同意を要する行為等)

1 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

(1)元本を領収し、又は利用すること。

(2)借財又は保証をすること。

(3)不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。

(4)訴訟行為をすること。

(5)贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する
仲裁合意をいう。)をすること。

(6)相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。

(7)贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は
負担付遺贈を承認すること。

(8)新築、改築、増築又は大修繕をすること。

(9)第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。

2 家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。


これらの行為は、被保佐人にとって、重要な権利義務の発生や変動を伴うものです。
これらの行為を判断能力が著しく不十分な被保佐人が単独でおこなってしまうと、被保佐人に
とって、極めて不利な結果になる可能性もあります。

このため、被保佐人の保護のために、保佐人の同意を要します。

なお、これらの行為について保佐人の同意がない場合は、取消すことができます。


被保佐人及び保佐人 [成年後見]

第12条(保佐人及び保佐人)
保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。


保佐人は、被保佐人を保護するために、民法上の権限を与えられる者です。

また、保佐人の代理権については原則として付与されておらず、例外として、家庭裁判所の審判により、被保佐人の特定の法律行為についての代理権のみ付与されることがあります(第876条の4第1項)。

被後見人と違い、日常生活に関する行為については、同意を要しません(第13条第1項ただし書き、第13条第2項ただし書き参照)。

また、成年被後見人の場合とは違って、保佐人の同意があった行為については、取消すことができません。

保佐開始の審判 [成年後見]

第11条(保佐開始の審判)

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第7条に規定する原因がある者については、この限りでない。

知症、知的障害、精神障害などによって、物事を認識する能力が著しく不十分な者については、家庭裁判所は、次のいずれかの者の請求により、保佐開始の審判をすることができます。

1.本人
2.配偶者
3.4親等内の親族
4.後見人
5.後見監督人
6.補助人
7.補助監督人
8.検察官

被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者をいいます。

簡単にいうと、精神上の障害があるけど、その程度が比較的弱い人のことをいいます。

成年被後見人よりも、障害の程度が低くある程度は自分の行為を理解することができる人に対して、その人を保護するために、一定の者からの請求によって裁判所は補佐開始の審判をすることができることを定めた規定です。


後見開始の審判の取消し [成年後見]

第10条(後見開始の審判の取消し)

第7条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人(未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。)、後見監督人(未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。)又は検察官の請求により、後見開始の審判を取り消さなければならない。

認知症、知的障害、精神障害などの常に物事を認識できない原因が消滅した者については、家庭裁判所は、次のいずれかの者の請求により、後見開始の審判を取り消さなければなりません。

1.判断能力が回復しているときの本人
2.配偶者
3.4親等内の親族
4.未成年後見人
5.未成年後見監督人
6.保佐人
7.保佐監督人
8.補助人
9.補助監督人
10.検察官


例え、精神上の障害が完全に回復していたとしても、後見開始の審判が取り消されるまでは、その者は単独で法律行為をすることができません。

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