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扶助 [は行]

扶助とは、夫婦間の扶養をいいます。

扶養は金品の強制的提供義務で(経済的監護)、夫婦は性共同体を構成しますので(同居を随伴します)、不時の緊急に際しての身辺的監護義務を加重させて、扶養の語から区別し扶助と称されています。

夫婦は婚姻当事者の直接の合意に基づく性共同体を構成するものなので、扶助義務の程度は高度なものとされています(生活保持義務。一皿をも共にする生活関係を指します)。

これに対し、意思的参加なくして、あるいは必然的な生活共同関係に立たない親族関係にある者の扶養義務の程度は、高度なものを強要することはできません(生活扶助義務。自分の生活を犠牲にしてまでする必要のないものです)。

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変更登記 [は行]

変更登記とは、既に記載されている登記の一部を変更する登記のことをいいます。

つまり、登記は一応存在するが、登記の記載内容と不動産に関する実際の実体関係とが食い違っている場合、記載を実体に合わせるように変更補正する登記のことをいいます。

これには二種類あります。

一つは、登記と実際との食い違いが最初からあった場合、つまり登記の際に、登記官が、所有者の住所を間違って記載してしまうというように「錯誤または遺漏」によって間違った登記がなされてしまったときに、これを後から発見して是正する場合であり、これを特に更正登記と呼びます。

もう一つの種類は、登記と実際との食違いが後から発生した場合です。

例えば所有者が離婚してその姓が変わったり、住所が移転したり、債権者と債務者との話合いで当初の利率を上げることにしたため、登記面と実際面との違いを実際に合わせる場合であり、これを狭義の変更登記と呼んで、更正登記と用語上区別しています。

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夫婦の相互独立性 [は行]

夫婦の法律関係は、貞操義務(その反面としての性共同体維持義務),自由主義諸国では一般に夫婦の同居・協力義務を派生的に義務づけます。

社会主義国の中には、旧ソビエト法のように同居義務を規定しないものがあります。

上記の協力義務は性共同体維持義務であり、その余りのものに関しません。

夫婦の広範な共同生活を精神的に豊かなものとするためには、夫婦の合意に待つほかはありません。

例えば、夫または妻の嗜好に他方配偶者が調子を合わせなければならない法的義務は成立しません)と扶助義務とがあります。

この扶助義務は、夫婦の相続権とともに婚姻の成立と同時に期待権として発生し、現実のものとなるについては相互的にではなく、常に一方的です(夫または妻が要保護状態になることによって妻または夫に対し現実の扶養請求権を持つに至り、夫または妻の死亡によって妻または夫に対する現実の相続権を
持つに至ります。現実として夫婦が互いに扶養し合い、相続し合うということはありません)。

夫婦の生活関係は、以上の2点を除き、他人間におけると等しく財産法の原理に基づき財産法の規定によります。

夫婦の日常生活に要する費用(「婚姻から生ずる費用」といいます)はそれぞれの資産・収入等に比例する割り勘によるものとされます(夫婦財産契約により、これと異なる定めをすることはできます。夫婦財産契約を締結しなかった場合の夫婦の財産関係を法定財産制といいます)。

共稼ぎをしない妻も直ちに夫の家事労働は労働出資の本質を持ち、この労働提供による割り勘です。

婚姻に際し夫婦が持ち寄った財産はそれぞれに夫・妻の特有財産であり、共有となるものではありません。

夫婦のいずれに属する財産であるか明らかでない財産と雖も共有とみなされるのではなく、共有に属するものと推定されているにすぎません(夫または妻は、反証を挙げて自己の単独所有に属するものと主張することができます)。

妻または夫の内助の功によって他方配偶者の財産が増価したときは、不当利得を成立させます。

離婚に際しては、その清算は財産分与によって不当利得返還請求の訴えを認容し得ない理由はありません(現実には、裁判所はこれを認容するには至っていません)。

夫婦の一方が日常家事に関して第三者と法律行為をしたとき(例えば、月末支払いによる妻の食料品の購入)は、他の一方はこれによって生じた債務につき連帯責務を負うべきものとされていますが、これとても当該第三者に対しその責めに任じない旨を予告しておけばその責任を免れます。

夫は妻の愛情におぼれ、妻は夫の威圧を受け真意によらずに契約をする恐れがあるものとされ、夫婦間で契約をしたときは何時でも夫婦の一方から取消しできるものとされていますが、夫婦の相互独立性が高度に達成されている現時点においては、時代遅れの規定として廃止の声が高くなっています。

判例上でも、夫婦の関係が上手く行かず離婚話が出ているような場合には、この取消権の発動を容認し得ないものと踏み切っています。

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夫婦の氏 [は行]

市民個々人を他者から区別するために、個々人に特定の名称を付することが必要です。

その要請から互いに性質を異にする二種(またはそれ以上)の附合を組み合わせて個人の名称とすることが広く世界で行なわれています。

我が国の現行法上では、その一方を血縁に関係づけ出生時に既に特定しているものとし、他方は出生に際し新たに命名すべきものとしています。

前者は氏であり、後者は名にあたります。

両者を連結して、個人の名称とします。

こうした二種のものの組み合わせは数字上同一名称の者の排出(同姓同名)を著しく少なくすることができ、これに反し一種のものであるときは同一名称者を過多にします。

氏名の法理は以上にとどまり、夫婦同氏には及びません。

我が国の民法が夫婦は婚姻の際に定めるところに従い夫または妻の氏を称するものと定めているのは、婚姻統制上の要請に出るものであって、市民社会法である民法の原理からしてそうなるものではありません。

婚姻に際し妻の氏が選択されても、夫の氏が選択された場合と異なる特別な法的効果を伴うものではなく、戸籍法の定めにより、婚姻に際し氏を変えなかった方の者を戸籍の筆頭に記載し、氏を変えた方の者をそれに次いで記載する戸籍が編成されます(夫婦同籍)。

婚姻に際し氏を改めた婚姻当事者は、離婚により当然に婚姻前の氏に復します(ただし、復氏後3ヶ月以内に市区町村長に届け出ることにより離婚の際に称していた氏を称することができます)。

夫婦間に出生した子は、その子が婚姻(または養子縁組)するまで父母と氏・戸籍を等しくします(一戸籍に記載されるのは、一夫婦及び親子二代に留まり、二夫婦及び祖父母・孫の三代に渡ることはできません。

したがって、未婚の子が出生したときは、未婚の母と子の戸籍が新たに調製されることになります。

養子は養方の戸籍に入り、または新たに戸籍が調製されることになります。

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夫婦財産契約 [は行]

夫婦となることにより、他人間とは異なる特殊に負わされる義務は貞操及び保護義務に限定され(婚姻の積極的効果)、その他は婚姻前におけるのと同じように、婚姻により変更を受けることはありません(例えば、夫婦の持ち寄った財産の所属は、婚姻により何の変更を受けません。762条は、この趣旨を注意的に規定しています。婚姻のいわば消極的効果にあたります)。


市民社会法は個々人の意思をあくなく奉仕する法体系でありますので、例えば夫婦の共有関係にあるものとしたいと願うのであれば、この願いもまた叶かなえなければならず、そのような婚姻当事者の契約もまた当事者間では有効となります。


しかし、市民社会における第三者意思もまた尊重されねばならず、そうした要請から、かような特別な契約をするにあたっては、婚姻届の提出前に管轄法務局において夫婦財産契約の登記をしておくことが必要となり、この登記がなければ第三者等にその特別の契約のあることを主張することができません
(一度なされた夫婦財産契約は、他方配偶者に契約違反があったような場合でない限り、以後変更登記を行なうことができません)。

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不知の陳述 [は行]

不知のの陳述とは、当事者の一方が、相手方の主張する個々の事実に対して、そんなことがあったかどうかは知らないと答えることです。


自分の行為ではない事実および自分が経験したものではない事実について、その真否のいずれであるかを答弁させることは酷であり、公平でもないから、不知の陳述が許されています。


そして、不知とされた事実は、これを争ったものと推定されています。
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分筆登記 [は行]

分筆登記とは、土地登記記録上、一筆として登記されている土地を、二筆以上の土地に分割することです。

土地の一部を他に売却したり、一筆の土地を相続人の数に応じて分割するときなどに分筆の必要を生じます。

所有者が分筆登記を申請してなされるのが原則です。

分筆をしようとする者は、分筆後の土地の地積測量図を添えて申請しなければなりません。

そして、例えば、何区何町五番の土地を三つに分割した場合には、五番の一、五番の二、五番の三という地番の土地がそれぞれ一筆の土地として独立して登記記録に記録され、各登記記録の表題部に、どの土地から分割によって移ったものであるということが記録されます。

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弁論の制限 [は行]

弁論の制限とは、裁判所が訴訟審理を整序するために、ある争点だけに限定して審理を集中することです。

当事者双方の主張によって争点が多岐にわたって錯綜する場合に、裁判所としてはそれを放置しておくと審理が放漫になり整理がつかなくなるおそれがあります。

そこで、訴訟指揮の裁判として、その争点の一つに限定して、審理を集中し、その結果によって終局判決ができれば、その判決をし、そうでなくとも、中間判決で、その審級限りで、その争点についての審理を終了することになります。
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配偶者居住権 [は行]

配偶者居住権とは、配偶者が相続開始時に居住していた被相続人の建物を、終身または一定期間、無償で使用できる権利です。すなわち、夫婦で夫名義の建物に居住していた場合に、夫の死後、妻が引き続きその建物に無償で居住できる、という権利です。

従来、妻が当該建物の使用権を得るには、

遺産分割により建物を妻単独名義とするか、
遺産分割協議により建物の所有者となった者から使用権を認めてもらう必要がありました(有償なら、賃貸借。無償なら使用貸借契約を結ぶことになります)。
但し、

①には、遺産分割において自宅を取得する分、預貯金等の他の資産の取り分が減ってしまい、老後の生活資金に困ってしまう、というデメリットがあり、

②には、遺産分割により取得した他の相続人が使用貸借に応じてくれればそのまま当該居宅に住み続けられるが、そうでなければ退去しなければない、または、使用を認めてくれても、賃貸借であれば死亡するまで賃料という対価が発生してしまうし、使用貸借であっても、使用貸借は貸主がその終了を主張すれば契約が終了してしますので、いつまで住めるのか不安定な立場におかれてしまいます。

そこで、これらの高齢化した配偶者の居住権を保護するための方策として「配偶者居住権」が新設されました(令和2年4月1日施行)
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弁論の分離 [は行]

弁論の分離とは、一個の手続に併合されて審理されている数個の請求を、別個の手続で審判するために分離することです。

原告Aは、被告Bに対し10万円の貸金請求と20万円の売買代金請求とを一つの訴えをもって併合して提起しました。

裁判所がこの訴訟を審理してみると、貸金請求の方は簡単だが、売買代金請求の方は商品の瑕疵の問題がからんでいてなかなか複雑であり、審理も時間がかかることがわかりました。

この場合、裁判所は二つの弁論を分離して別々に審理し貸金請求については早く判決を下すことができます。

このように一つの訴訟に併合された数個の請求を、別個の手続で審判するために分離することをいいます。

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