代位弁済は、債務者以外の第三者または共同債務者の一人などが債権者に対して債務の弁済を行うことをいいます。
例えば、金銭消費貸借の支払いを延滞した場合、保証会社が銀行などに代位弁済をすることがありますが、これは単にその債務が銀行から保証会社に移るだけで、債務者の支払義務が免除される訳ではありません。
一般に債務者以外の第三者が、債務者に代わって弁済を行った場合に、弁済によって消滅すべき債権およびこれに伴う担保物件・保証債務などが、第三者の債務者に対する求償権の範囲内で第三者に移転することを「弁済による代位」といい、この代位に伴う弁済がすなわち「代位弁済」ということです。
通常、代位弁済が生ずるためには、債権者の承諾を得るか、弁済を行う上で正当な利害関係を有することが必要となります。
債権者の承諾を得た場合を「任意代位」といい、正当な利害関係を有する場合を「法定代位」といいます。
法定代位を行える者は、保証人、物上保証人、連帯債務者、担保財産の第三取得者などです。
任意代位:民法第499条
債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。
法定代位:民法第500条
弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。