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裁判日誌(請負契約①) [裁判日誌]






昨年の11月頃、被告Aさんから請負(塗装工事)に関する裁判の相談を受けました。

訴状をみるとAさんは、昨年の8月頃、原告にAさん宅の塗装工事を金28万円で依頼し、塗装工事中に請負代金が55万円になっていたという内容でした。

当然、Aさんは、支払いを拒絶し、訴訟に至ったわけですが、本件の争点となる請負契約代金が口頭による請負契約であったため、双方ともに立証ができない・・・かと思いきや、原告は、塗装工事中にAさん宅に訪れ、ICレコーダーを隠し持ち請負代金が55万円であることの会話を録音していると、その録音を証拠として提出してきました。

被告代理人としては、参ったなあという感じになるわけですが、Aさんは77歳の高齢者で、原告にうまく騙されたことになります。

何か糸口がないか証拠を見直したところ、原告の下請け業者の請求書の金額では下請け業者だけが利益を得て、原告には何も利益が上がっていないことが判明しました。

普通なら、請負業者である原告にも利益があるわけです。
いわゆる、下請け業者からのキックバックです。
キックバックと言っても、請負代金の2割程度が相場らしいです。(業者によってまちまちです。)

原告の訴状には、「原告には利益がないにもかかわらず、ボランティアで被告のために工事を請け負った」と・・・いかにも善人であることを強調した書面

第1回目の口頭弁論期日で原告と相対するわけですが、原告はいかにもという顔つきで、傍聴席には
その取り巻きが数名。何やら原告に指示を出していました。

原告及びその取り巻きの態度がすごく横柄で、ちょっとむかついた私は、なんでもいいから、ごねてやろう、そして和解に持ち込み支払金額を下げさせる作戦に・・・

*ちなみに塗装工事は40万円前後が相場なので、被告側としては請求金額の減額が妥当な作戦になります。(面積によって増減します。)

そこで、原告の提出した請求書を同業者にみてもらい、Aさん宅の塗装工事の見積もりをお願いしたところ、なんと実際の塗装面積より約2倍の面積になっていることが判明しました。
金額に直すと、約15万の水増し請求。あと足場代も3万円の水増し請求が判明。

業者への口利きだけで18万円も・・・これは完全な悪徳業者です。

あれだけ、善人ぶっておきながら・・・と思いましたが、あくまでも本件の争点は契約時点での請負代金になるため、裁判所は、塗装面積の水増し請求を被告の積極否認及び抗弁としかとらえません。

そこで、この証拠をもとに直接、下請け業者を直撃し、仲間割れさせることにしようと、下請け業者に抗議の電話を・・・

水増し請求を否認するかと思いきや、警察に言わないでと懇願されてあっさり認めてくれました。
バレることをするなよ…と思いましたが、原告に私から電話を受けたことを伝えるよう指示して電話を切りました。

そこから、原告側で内紛が起きたわけですが、私が電話したこと及び水増し請求に関する被告準備書面に対する批判が次の原告準備書面で書かれてました。(笑)

一部を紹介します。
「被告代理人は、建設業界のタブーを犯した・・・再見積もりをとることは、建設業界の常識からはずれている」

「被告代理人は、本件において逆の立場ならどうしますか?」「つらくないですか?」

という内容。 なんのこっちゃです。

次回期日には、Aさんを連れて、問題の録音を聴くことになっています。
和解できるかどうかは、その内容次第。

つづきは、後日。お楽しみに。












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