広い意味で代理といえば、他人(本人)に代わってある行為をすることであるが、民法総則編に定められている代理とは、代理人が、本人のためにすることを示して意思表示をし、または意思表示を受け取ることをいいます。
したがって、不法行為の代理などは認められないし、ある人が他の人を介して物を占有する、いわゆる代理占有とも別です。
また、顧問、相談役、使者などは、他人のために意思表示に関与するが、彼らは表意者、または意思表示を受ける者の補助者であって代理人ではありません。
代理人が権限内でした行為の効果(権利・義務)は、直接本人に帰属します。
元本保証のない投資信託を扱う会社は、他人(投資者)のために証券類の取引(意思表示)をし、かつその取引による利益や損失は、ことごとく投資者に帰属するが、その取引は、会社が自己の名で行い、したがって、効果も、法律上は会社に帰属するので、代理とは異なります。
しかし、法律上はともかく、実質上は、代理に等しいので、このような場合を間接代理といいます。
また、法人の理事は、法人のために、種々の意思表示をし、あるいは意思表示を受け、しかも、その仕方や効果は、代理の場合と異なるところがないが、通常は代理人といわず、代表者といいます。
法律行為の中には、事の性質上、本人自らすることを要するものがあります。
婚姻、養子縁組、遺言などがその例です。
この種の行為は「代理に親しまない行為」といわれます。
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