例えば、借家人Aさんが、家族のBさんや住込みの使用人Cさんとともに借家に同居している場合に、BさんやCさんは現実に借家を利用し,その意味で事実上借家を支配しているのですが、それは、むしろAさんの支配(占有)に包括されており、これと独立した支配(占有)とはみなさないことが事態に合致します。
換言すれば、BさんやCさんはいわばAさんの手足となって物を支配しているにすぎません。
かような場合のBさんやCさんのことを占有機関若しくは占有補助者と称し、この人たちは独立の占有を有していないものとされています。
したがって、家主が建物からの立ち退きを請求する際には、Aさんのみを相手方にすべきものとなります。
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