法定地上権とは、土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属している場合に、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときに当該建物に成立する地上権(第388条前段)。
約定地上権とは異なり当事者間の合意による設定ではなく法律の規定によって当然に生じます。
法定地上権の成立要件
1.抵当権設定時に土地上に建物が存在すること
2.抵当権設定時に土地と建物が同一所有者に帰属していること
3.土地又は建物に抵当権が設定されること
4.抵当権実行により土地・建物が異なる所有者に帰属すること
定地上権の内容
法定地上権は当事者間の設定行為によらず法律上当然に発生する。
通常の約定地上権と同様に付従性・随伴性がある(大判大10・11・28民録27輯2070頁)。
法定地上権の及ぶ土地の範囲
法定地上権はその建物の敷地に限らず建物の利用に必要な範囲に及ぶ(通説・判例。判例として大判大9・5・5民録26輯1005頁)
法定地上権と地代
法定地上権の地代は当事者の請求により裁判所が定めますが388条後段)、判例によれば当事者間で地代を定めることもできます(大判明43・3・23民録16輯233頁)。
法定地上権の対抗要件
法定地上権についても177条により登記を要します。
法定地上権は当事者間においては登記なくして対抗しうるが(大判明5・11民録14輯677頁)、第三者に対抗するには地上権登記または借地借家法上の建物の登記を要します。
法定地上権の存続期間
法定地上権の存続期間については268条2項の規定により、まず、当事者間の協議により、それで定まらなければ借地借家法の規定により30年となります。(借地借家法3条)。
今日のちょこ
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