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錯誤(要素の錯誤・動機の錯誤) [さ行]






こんにちは、ちょこじぃ~です。
皆さんは、勘違いなどで意思表示をしてしまった後、「やっぱりあれはなしで」と主張したことはないでしょうか?
民法には、なんらかの誤解に基づいてなされた意思表示に対し、錯誤を用いてその法律行為を無効とする規定が存在します。
ただし、すべての誤解について適用できるわけではありません。


第95条(錯誤)
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。


錯誤には、意志形成から表示行為に至る間のどこで何を誤ってしまったかで、以下のように類型できます。

1.要素の錯誤

2.動機の錯誤


95条にあるとおり、錯誤の成立要件は以下のとおりです。
これらの要件を満たした錯誤の表意者は、95条により錯誤無効を主張できます。

1.法律行為の要素に錯誤があること
要素とは、その錯誤がなければその意思表示はなかっただろうと考えられるほど重要な部分のことです(大判大7.10.3)。

具体的な判例は以下のとおり。

仮差し押さえの対象であるジャムが通常の品質であると誤信して和解契約をしたが、それが粗悪品であった場合、要素の錯誤が認められる(最判昭33.6.14)

人違いに関する錯誤
判例によると、一般には契約の対象物が重視されるので人違いは錯誤とならない(大判大8.12.16)とするが、一定の条件下においては、要素の錯誤とされてきた。
相手の個性に着目する無償契約では、要素の錯誤が認められやすい。

Aが兄Bの債権者Cに不動産を売り、その代金と債権を相殺する約束だったが、CがBの債権者ではなかった場合(最判昭40.10.8)は、要素の錯誤とされた。

表意者に重過失がないこと
重過失とは、通常一般人に期待される注意を著しく欠いていたことをいう。表意者に重過失があれば、錯誤無効を主張することはできない。


2.動機の錯誤
動機の錯誤は、当然には95条の錯誤無効の対象とはならないが、動機を相手方に表示した場合には、動機は要素の錯誤となるとする。

動機が現に表示されていなくても、相手方が認識していれば、表示されたのと同じように扱われます。

判例:「(引用)意思表示の動機に錯誤があつても、その動機が相手方に表示されなかつたときは、法律行為の要素に錯誤があつたものとはいえない」(「最判昭29.11.26 売買代金返還請求」)

今日のちょこ
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久しぶり。






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