公の秩序に関する事項を定めた規定を強行規定といいます。
強行規定違反の法律行為は、公の秩序に反し無効です。
私有財産制のかなめである、物権の種類・内容を定める物権編、国の秩序に重大な影響のある、親族関係を規律する親族編および相続編、経済的な弱者を保護するため、自由競争の調整を図る諸法規の多くは強行規定の例です。
これに対して、法律の中には、一定の行為を禁止もしくは制限し、これに違反する場合に備えて罰則を設けているが、違反行為の効力については何の定めもしていないものも数多くあります。
この種の、いわゆる取締規定が、私法上の効力を否定する趣旨かどうかは、それぞれの規定の解釈(すなわち、無効とすることによって得られる利益と損失の比較など)を通して決まります。
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