振出人が署名し、支払人に対して、一定の金額を受取人に支払うことを依頼する形式の手形(支払委託証券)で、取引上は、為手(ためて)といいます。
例えば、甲が乙に手形で売買代金を支払う場合や、甲が手形を担保として乙から金を借りる場合に、普通利用されるのは約束手形であるが、支払人丙の信用を利用したい場合や甲・丙間に未決済の債務がある場合に為手を用います。
取引の実際では、白地引受で為手を発行することが多く、印紙税の負担を振出人に転化するために為手の利用度が一時的に高まりました。
丙が引受をすると、丙は、主な債務者として、支払義務を負うことになり、甲は、丙が引受や支払いを拒んだ場合に手形金を償還する、担保責任を負うにとどまります。
支払人丙は、もともと甲に対して何らかの支払義務があって、肩代わりとして引受をする場合もあるし、甲が資金を提供して丙に支払いを委託する場合もあります。
しかし、為替手形のいちばん主な利用面は、国際的な送金取引や荷為替取引です。
すなわちロンドンのAが、東京の甲に貿易上の代金などを送金するには、ロンドンのX銀行に金を払い込んでX銀行東京支店または取引銀行乙を支払人とする為替手形を振り出してもらい、これを甲に送付する方法がとられます。
また、甲が早く現金が欲しいときには荷為替取組みの方法によります。
国際貿易に欠くことのできない決済方法として為替手形は重要です。
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