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入会権 [あ行]






入会権とは、ある特定の地域(集落など)の住民が、定まった山林や原野に入って堆肥・家畜飼料・燃料などに用いる草木を採取するなど、これを共同に収益することのできる権利をいい、用益物権の一種です。

明治時代以前から慣習上の権利として認められていましたが、我が国の民法でもこれを一つの物権として認めています。

しかし、民法制定当時は入会の慣習を充分に調査することができなかったので、民法はわずかに二ヶ所を設けて、共有の性質を有する入会には共有の規定を、共有の性質を有しない入会には地役権の規定を準用すると規定しています。

判例によると、入会権者が入会地の所有権を持っている場合が前者に、入会地の所有権を持っていない場合が後者に当たるとされています。

しかし、入会権者が入会地の所有権を持っている場合であっても、その関係は普通の共有と異なり、もっと団体的色彩が強く、いわゆる総有の関係であるとされています。

個々の入会権者は、強い団体的な統制に服し、持分を勝手に譲渡することも分割請求をすることもできません(総有)。

また入会権者が、入会地の所有権を持っていない場合でもその土地に対する関係は、総有と同じような性質であるといえます(準総有)。

戦後急速な経済発展とともに農業・林業も変貌を遂げ、入会関係も近代化が進んでいます。

例えば入会権者が集団で植林をして収益を配分する方法や、逆に入会地を分割して構成員に管理・利用を任せるなどがあります。

国も「入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律」を制定し、この傾向を助長・促進しようとしています。






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