動物の保管者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負います。
ただし、動物の種類および性質に従い相当の注意をもってその保管をしていたときは、この限りではありません。
民法は、動物の占有者と保管者について、分けて規定しているが、両者を区別する必要はありません。
動物の所有者については特にその責任を定める規定はなく、事実上その動物の害を防止することのできる立場にある占有者・保管者に責任を負わせています。
もちろん占有者・保管者が所有者であっても差し支えないです。
この規定により、動物の保管者に対し責任を追及するには、被害者の方で保管者の故意・過失を証明する必要はなく、保管者の側で相当の注意をしていたこと、つまり過失がなかったことを証明しなければ、責任を免れることができません。
このように、保管者の側に故意・過失の証明責任が転換されているので、無過失責任との間の一種の中間的責任です。
動物は、家畜であるかどうかを問いません。
逃失した動物による損害についても、危害を及ぼすおそれのある動物については逃失したことに保管上の過失がなかったことを保管者が証明できない限り、責任があります。
犬を運動させている途中に他人にかみついたような場合は、当然に保管者の注意を怠ったことになるが、鎖につながないで放置することは、性質の温順な犬の場合でも、注意義務違反になります。
他人の手足として占有する占有補助者、例えば占有者の家族や雇人は、保管者ではないです。
子供が犬を散歩させる途中他人にかみついても、保管者は親であって子ではありません。
コメント 0