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民法51条~100条 ブログトップ
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民法第92条 任意規定と異なる慣習 [民法51条~100条]

第92条 任意規定と異なる慣習

法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。


解説
任意規定が適用される状況において、その任意規定とは異なる当事者の意思が存在しないものの、任意規定とは異なる慣習が存在した場合は、当事者がその慣習による意思を有しているときは、その慣習が意思表示の判断の基準となります。

つまり、法律行為の内容が不明確な場合は、慣習に従うということを規定したのが本条になります。

また、民法上の優先順位は次のとおりです。

①強行規定>②当事者の意思表示>③慣習>④任意規定

民法第91条  任意規定と異なる意思表示 [民法51条~100条]

第91条 任意規定と異なる意思表示

法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。


解説
任意規定とは、公の秩序に関しない法令の規定をいい、簡単にいうと、当事者が契約で決めれば、法律が排除されるような規定を任意規定といいます。

つまり、当事者の意思は、任意規定よりも優先され、契約においては、当事者同士の合意があれば、
その合意は、法律の任意規定よりも優先されます。

ただし、公の秩序に関する規定については、いくら当事者で決めても、法律の方を優先的に適用するとしています。

法律が優先的に適用されるような規定を強行規定といいます。

民法第90条 公序良俗 [民法51条~100条]

第90条 公序良俗

公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。


解説
公の秩序(国家や社会などの一般的な秩序)や、善良の風俗(社会の一般的な道徳的観念や社会通念)に反するような法律行為は、無効となります。

民法は私的自治の原則を採用し、私人の生活においてはその自由が尊重されています。
しかし、法律行為の自由を無制限に認めると、公の秩序や善良の風俗が害されるおそれがあり、
このため民法は90条において、公序良俗に反する事項を目的とする法律行為を無効としています。


具体例
1.強行法規又はその精神に反する行為

2.人倫に反する行為
(例)愛人契約
  愛人関係に関する契約を締結したとしても、そのことのみで対価を求めることはできない。

3.射倖行為
(例)賭博行為

4.正義の観念に反する行為
(例)不正な行為を助長する行為
(例)非行を行わないことの対価として利益を与える旨の契約
  (例1)総会屋(例2)偽証の撤回に対する報酬

5.自由を極度に制限する行為
(例)営業自由の制限


民法第89条 果実の帰属 [民法51条~100条]

第89条(果実の帰属)

1 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。

2 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。


解説
本項は、天然果実の権利の帰属について規定しています。

第1項
天然果実は、元物(その果実を発生させる物)から分離する時点で、これを収取する権利の
ある者の物となります。

天然果実の例
みかん・りんご・葡萄などの果樹の所有者
牛らか搾取する牛乳・・・牛の所有者

第2項
法定果実を収取できる権利者は、その法定果実を収取する権利の存続期間に応じて、
日割計算によって算出されたものを取得します。

法定果実の例
建物賃貸借契約により発生する家賃・・・建物の所有者


民法第88条 天然果実及び法定果実 [民法51条~100条]

第88条 天然果実及び法定果実

1 物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。

2 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。


1項の解説
 天然果実とは、「物の用法に従い収取する産出物」を意味します。
 ここで「物の用法に従」うとは、「物の経済的用途に従って」と言う意味に解されています。

「果実」(リンゴ、ナシ、ミカンなどの果物)は、果樹の天然果実に該当します。


2項の解説
 法定果実は「物の使用の対価」ですから、「元本債権の収益」である利息は法定果実の定義が当てはまりませんが、本質的には同じものであるとして、法定果実に含まれるとされています。

建物賃貸借契約における賃料は建物の法定果実とされています。

民法第87条 主物及び従物 [民法51条~100条]

第87条(主物及び従物)

1 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、
 その附属させた物を従物とする。

2 従物は、主物の処分に従う。


1項の解説
建物(主物)に対する畳・建具、宅地(主物)に対する石灯籠・取外し可能な庭石などが従物である。
従物は、本来、付加一体物に含まれないと考えられていたが、不動産の与信能力を高めようとする社会的要請から、次第に従物も付加一体物に含めるとする解釈が主流となり、現在に至っている。
なお、抵当権設定後に付加された従物については、かつて判例は抵当権の効力が及ばないとしていたが、最近では抵当権の効力が及ぶとする判例も見られるようになっている。


2項の解説
独立性を有する物の間に、主従結合関係が認められる場合には、同一の法律的運命に従わせることが、
当事者の合理的意思に合致し、社会経済上も望ましく、従物は、主物の処分に従ってともに処分されます。


① 家(主物)に対する畳(従物)は、家を売却する際に一緒に売却されます。
② 建物(主物)に対する倉庫(付属建物)は、建物を売却する際に一緒に売却されます。


民法第86条 不動産及び動産 [民法51条~100条]

第86条 不動産及び動産

1 土地及びその定着物は、不動産とする。
2 不動産以外の物は、すべて動産とする。
3 無記名債権は、動産とみなす。


解説
不動産と動産の定義を定めた規定。
不動産というのは、「土地及びその定着物」をいいます。
土地の定着物とは、一時の用に供するためのでなく、土地に付着するものをいう。

つまり、土地、建物だけが不動産ではなく、立木、橋、石垣なども不動産になります。




民法第85条  [民法51条~100条]

民法第85条

この法律において「物」とは、有体物をいう。


解説
本条は、物の定義について規定しています。

民法において、物とは、有体物、つまり形のある物をいいます。

有体物とは、排他的に支配ができる物という認識で差し支えないものと思われます。

簡単に言えば、目に見える物です。

民法では、権利の上に物権が成立することが認められているので、民法85条は、物権の対象を

限定する意味は有していません。

民法84条 削除(旧民法第84条 主務官庁の権限の委任) [民法51条~100条]

民法第84条 

本条は、改正により削除されました。


旧民法第84条(主務官庁の権限の委任)
この章に規定する主務官庁の権限は、政令で定めるところにより、その全部又は一部を国に所属する行政庁に委任することができる。


旧民法第84条の2(主務官庁の権限の委任)

1 この章に規定する主務官庁の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、都道府県の知事
 その他の執行機関(以下「都道府県の執行機関」という。)においてその全部又は一部を処理す
 ることとすることができる。

2 前項の場合において、主務官庁は、政令で定めるところにより、法人に対する監督上の命令又は
 設立の許可の取消しについて、都道府県の執行機関に対し指示をすることができる。

3 第一項の場合において、主務官庁は、都道府県の執行機関がその事務を処理するに当たってよる
 べき基準を定めることができる。

4 主務官庁が前項の基準を定めたときは、これを告示しなければならない。


旧民法第84条の3(役員に対する罰則)

1 法人の理事、監事又は清算人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、50万円以下の過料に処する。
(1)この章に規定する登記を怠ったとき。

(2)第51条の規定に違反し、又は財産目録若しくは社員名簿に不正の記載をしたとき。

(3)第67条第3項又は第82条第2項の規定による主務官庁、その権限の委任を受けた国に所属する
  行政庁若しくはその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関又は裁判所の検査を妨げ
  たとき。

(4)第67条第2項の規定による主務官庁又はその権限の委任を受けた国に所属する行政庁若しくは
  その権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関の監督上の命令に違反したとき。

(5)官庁、主務官庁の権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関又は総会に対し、不実の
  申立てをし、又は事実を隠ぺいしたとき。

(6)第70条第2項又は第81条第1項の規定による破産手続開始の申立てを怠ったとき。

(7)第79条第1項又は第81条第1項の公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。

2 第35条の規定に違反した者は、10万円以下の過料に処する。


今日のちょことじじ

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民法第83条 削除(旧民法第83条 清算結了の届出) [民法51条~100条]

民法第83条

本条は、改正により削除されました。



旧民法第83条(清算結了の届出)

清算が結了したときは、清算人は、その旨を主務官庁に届け出なければならない。

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