「売買予約」を原因として「所有権移転請求権仮登記」がなされたものは、将来買主側が「予約完結権」を行使して購入の意思表示をすることにより正式に売買契約が成立するというもので、現時点では売買が成立しているわけではありません。
「所有権移転請求権仮登記」という仮登記そのもの自体には、消滅時効という概念はありません。
しかし、予約完結権という権利は債権ですので、「債権者が権利を行使することができることを知った時(=契約締結時)から5年間行使しないとき」に時効により権利が消滅することになります(2020年4月1日施行の改正民法第166条により、それまで10年であった消滅時効の期間が実質5年に短縮されましたので、2020年4月1日以降の契約に基づく予約完結権は5年の消滅時効が適用されます。ただし、2020年4月1日以前の契約に基づく予約完結権は従来通り10年になります)。
それに伴い、仮登記に対する本登記請求権も消滅します。
「所有権移転請求権仮登記」は、売買予約に限らず、「贈与予約」や「代物弁済予約」等を原因として登記されることも考えられますが、予約完結権の消滅時効については、考え方はすべて同じです。
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