民法は、代理占有の成立要件として、占有代理人に所持のほか「本人のためにする意思」があることを要求しています。
しかし、ドイツ民法では、かような主観的な意思を要求せずに、例えば地主と借地人との関係のように、契約終了後に目的物を返還すべきものとされている法律関係が存すればよいものとし、このような関係を前提として直接に物を所持する者(借地人など)の占有を直接占有、この直接占有を通じて間接に占有するとみられる者(地主など)を間接占有といいます。
このように、日本の民法の占有代理関係の成立要件とドイツ民法の直接及び間接占有の成立要件とでは若干相違があるが、我が国でも「本人のためにする意思」という要件を緩やかに解釈する傾向が強まるとともに、直接占有・間接占有という語句を使用する法律家が増えています。
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