手形・小切手面上に記載される、支払いを約束(または依頼)した金額です。
現行の統一手形・小切手用紙では、手形・小切手金額は、改ざんしにくい筆記用具を用い、金額欄にチェック・ライター(横書数字)で打ち込むか、あるいは漢数字(壱・弐・参・捨)で字の間をつめて横書きすることが、約束(為替)手形(小切手)用法で定められています。
また、全国の銀行が採用している当座勘定規定においても、当座預金への手形小切手の受入れおよび当座預金からの手形・小切手の引落しに当たっては、金額欄に記載された金額を手形・小切手金額として取り扱えばよく、副記は、無視して差し支えがない旨を定めています。
手形(小切手)法上は、手形(小切手)金額は、振出しの時において「一定の金額」でなければならないとされます。
したがって、「壱万円ないし参万円」というような記載(選択的記載)は無効です。
しかし、金額についても、有効解釈が認められないわけではなく「壱百万円」を「壱百円」と誤記した事例につき、印紙の額や、数字による記載との関係で、「壱百円」は誤記であると判断した判例もあります。
また、文字と数字とで記載して金額に差異があるときは、文字が優先することとされているが、この規定の趣旨は、もっとも改ざん(変造)されるおそれの少ないものを金額とすることにあるから、現行の制度の下では、金額欄の中の、チェック・ライターで打ち込んだ数字が最優先し、漢文字がこれに次ぎ、手書きの数字が最劣位と類推解釈してよいです。
そして、このようにして、記載上明らかに金額が決められない場合に限って、数字または文字による重複記載については最小金額を金額とします。
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