民法第345条 質権設定者による代理占有の禁止
質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。
解説
質権の設定は要物契約であり、目的物の引渡しが要件となっているため、引き渡しを占有改定(民法第183条)によって行うことは禁止される。
ただし、質権成立後、目的物を設定者に任意に返還した場合であっても、その占有が代理占有の効力を生じさせないだけで質権は消滅しない(大判大5.12.25)。
なお、返還した質物が動産である場合、質権者の動産質権の対抗力を失う(民法第352条)。
不動産質の場合は、登記がある限り質権の効力に何の影響も及ぼさない。
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