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責問権 [さ行]






当事者が裁判所または相手方の訴訟手続に関する規定に違背した訴訟行為に対して異議を述べ、その無効を主張する訴訟上の機能のこと。

訴訟手続の進行は裁判所が指揮・監督するのであるから手続規定に違背する訴訟行為は排斥されるはずであるが、裁判所もその違背を見過ごす場合もあろうから、それに気がついた当事者がそのことを裁判所に対して指摘して訴訟行為を排除したり、やりなおすことを要求できるのがこの責問権です。

しかし、責問権の行使があればいつでもその瑕疵あるいは訴訟行為が無効とされ、それを基礎として進められてきた手続を無駄にするというのであれば、訴訟手続を不安定にするし、また訴訟経済にも反します。

そこで、訴訟手続規定に違背する訴訟行為でも、それが当事者の利益の保護を目的とする利益規定の違背であるときは、それによって不利益を被る当事者が、その不利益を甘受して異議を述べないときは、無効とする必要がないわけです。

だから私益規定の違背に関する限りは責問権を放棄できることになるし、また、当事者がその違背を知りながら、あるいは当然知ることができたのに、遅滞なく異議を述べないときは責問権を喪失するものとしました。

したがって責問権の放棄・喪失によって、その違背に基づく瑕疵は治癒されることになります。

これに反し、例えば、裁判所の構成とか、裁判官の除斥、専属管轄、上訴の用件、弁論の公開、訴訟要件などの手続規定は公益強行規定であって、裁判所が職権によってその遵守を確保すべき場合であるから、責問権の放棄・喪失によってその手続規定の違背は治癒されません。

私益規定の主な例は、訴えの提起の方式、呼出し、送達、参加申出の方式に関する規定、証拠調べの方式に関する規定、訴訟手続の中断または中止の行為についての規定などになります。






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