準備的口頭弁論とは、争点・証拠の整理を目的とする口頭弁論を指します。
旧法でも、争点など整理のための準備的口頭弁論という制度がありましたが、ほとんど利用されていませんでした。
そこで、新法では、この実効性が実現できるようにさまざまな工夫を凝らしています。
新法でも準備的口頭弁論は裁判所が必要であると判断したときに、当事者の意向と関係なく、開始できるし、また「その後の証拠調べにより証明すべき事実」が明確になったときに終了しますが、終了に当たっては、裁判所と両当事者が、その「証明すべき事実」を確認します。
もっとも、当事者がこの期日に出頭しなかったり、あるいは準備書面の提出や証拠の申出のための期間を裁判長が定めたにもかかわらず、その期間内に提出や申出などをしないで、協力しないときにも終了することができます。
弁論準備手続では、その手続が準備室や裁判官室などで非公開で行われ、したがって証人尋問などができないなどの制限があるのに対して、準備的口頭弁論では、証人尋問や当事者尋問なども含めて公開の法廷で争点・証拠の整理に必要な一切の行為をすることができます。
ことに新聞やテレビなどをにぎわす事件や当事者、関係人などが多数いる事件では、争点・証拠の整理も公開の法廷での弁論によって行うほうが適切であるが、そのような場合でも、裁判所や当事者同士が、儀式ばらずに膝を交えた率直な弁論によって、争点・証拠の整理を図ろうとすれば、ラウンドテーブル法廷によって行うこともできることになっています。
このような争点・証拠の整理手続としての準備的口頭弁論を終了したにもかかわらず、その後にも、この整理結果を無視するように新たな攻撃防御方法が提出された場合に、相手方の要求があるときは、準備的口頭弁論の終了前にはこれを提出できなかった理由を説明しなければなりません。
コメント 0