これまでは、当事者に対する書類の伝達方法としては、規定の上では、送達しかありませんでした。
しかし、送達は厳格な一定の方式を踏むことが定められていましたが、そのような厳格な方式によるよりも、書類によっては、もっと簡易な伝達方法で十分であることから、そのような書類のために「送付」と「直送」という方法が工夫されました。
まず、「送付」は裁判所が当事者その他の関係人に対して、送付書類をその「写し」を「交付」あるいはファクシミリによって伝達することです。
その書類としては、例えば、訴訟告知書、鑑定事項を記載した書面、書証の申出をする時までに提出される文書の写しおよび証拠説明書などでありますが、その方法の1つとしての「交付」は、直接の手渡し、使送、郵送などによります。
この送付に関する事務の取扱いは、裁判所書記官が担当します。
「直送」は、当事者が書類を相手方に対して直接に伝達することであり、ファクシミリの方法によります。
その書類は、例えば、準備書面、準備書面と受領した旨を記載した書面、証拠の申出を記載した書面、証人尋問の申出の際の尋問事項書などです。
この送付と直送の関係については、裁判所が相手方に送付すべき書類でも、当事者が自分で裁判所に提出する書類を自分で相手方に直送したときは、送付は必要ないとされています。
反対に、当事者が直送すべき書類でも、それが困難であるときには、当事者は裁判所に対して、送付をしてくれるように申し出ることができます。
また、準備書面については、161条3項の適用の問題があるので、送付の申出だけではなく、送達の申出もできます。
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