血族・姻族関係の存在、自己からの遠近度を計算する基礎単位で、親・子を互いに一親等とします。
この基礎単位を目盛りとする物差しを自己または配偶者を起点としてあてがうことによってあらゆる血族・姻族の関係が測定されます。
互いに先祖・子孫という関係にあるときはまっすぐな物差しによって目盛りがいくつになるかによって算出されますが(直系血族)、互いに先祖・子孫という関係にないときはいわば巻き尺によってある者とある者との共通の先祖(共同始祖)までの目盛りの数を合計して測定します(傍系血族。兄弟の場合でいえば、兄から親まで一親等、合わせて二親等の傍系血族にあたります)。
夫婦間には、親等はありません。
配偶者の血族、血族の配偶者(子の配偶者など)が姻族でありますが、姻族の親等は配偶者の側に物差しの起点を置いて計ります(配偶者の父母は一親等の直系姻族、配偶者の兄弟は、配偶者からその親まで一親等、親からその兄弟まで一親等、併せて二親等の傍系姻族にあたります)。
およそ物差しには、厳密性が要求されます。
親子・夫婦という基礎単位については婚姻・親子の章で個々にその存否が厳密に規定され、諸他の親族関係はすべてこの基礎の上に積み重ねられた関係でありますので、総則の章の対象として総括的一律に規定が配されている所以ゆえんです。
自分より世代が上の血族・姻族を尊属といい、自分より世代が下の血族・姻族を卑属といいます。
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