法文には、使者という言葉は使われていないが、法律学では、表意者と区別するため、使者という言葉が用いられています。
使者は、表意者の補助者であって、手紙を届けたり、いわれたとおりのことを伝えるものであり、その意味では、郵便配達夫や電報の場合の電信技師と同じです。
使者が誤って別の人に手紙を届け、口上を述べても意思表示は不到達です。
これに対し、相手方に対して意思表示の内容を誤って伝えたときは、表意者の錯誤と同じに扱われます。
これに反し、代理人は、表意者であるから、意思表示の効力が、表意者の心理的態様(例えば錯誤、詐欺、強迫、善意、悪意など)によって左右される場合であっても、本人ではなく、もっぱら代理人のそれに対応して定められます。
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