給付とは、債務の内容(目的)であり、債務者の行為を指します。
給付は、以下のように分類することができます。
①与える債務と為す債務
物の引渡しを目的とする債務を与える債務といい、物の引渡し以外の債務者の行為を目的とする債務を為す債務といいます。
与える債務の場合には、債権者は一定量の物の引渡しを受けることによって満足できるので、債務者以外の第三者からの弁済も原則として可能です(原則として代替的給付に当たります)。
為す債務は、一定の積極的な行為を内容とする作為債務と、消極的に一定の行為をしないことを内容とする不作為債務とに分類できます。
また、債務者以外の第三者の給付行為でも債権者が満足し得るものと(代替的給付)、債務者以外の給付行為では債権者は満足し得ないものとがあります(非代替的給付または不代替的給付)。
例えば、請負債務は一般に代替性のある為す債務ですが、書や絵を描き歌を唄うなどの債務は、一般に代替性のない為す債務です。
この分類は、強制履行の方法に関係します。
与える債務の強制履行としては直接強制・間接強制ができますが、為す債務については人道主義の見地から直接強制は許されません。
代替性のある為す債務については代替執行と間接強制が、非代替的な為す債務に対しては、間接強制ができます。
②可分給付と不可分給付
分割して給付することの許される場合を可分給付といい、それの許されない場合を不可分給付といいます。
契約によって不可分給付とされる場合と、債務の性質によって、不可分給付である場合があります(例えば、馬1頭の引渡しetc)。
可分給付については分割債務が原則でありますが、不可分給付について不可分債務が成立します。
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