相続で預貯金が「遺産分割」の対象となるかどうかが争われた審判の許可抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は19日、「預貯金は遺産分割の対象」とする初判断を示し、改めて相続分を決めるために、審理を大阪高裁に差し戻しました。
不動産や現金が遺産分割の対象なのに対し、預貯金は遺産の分け方を話し合う遺産分割の対象にならず、法定相続分に基づいて自動的に分けられるとされてきましたが、最高裁はこの判例を変更しました。
実務では、銀行預金を払戻そうとする場合、通常、金融機関は相続人全員の同意が求めていたため、ほとんどの払戻手続きでは、遺産分割協議書などを添付して預貯金を払戻を行っていました。
これまでは遺産分割協議の成立の見込みがない場合などには、事情を説明すれば、相続分に応じた預金の払い戻しをしてくれる金融機関もありましたが、今回の判例変更によって相続人全員の同意が必須となるため、遺産分割協議が成立しない場合、相続分に応じた預金の払い戻しはできなくなります。
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