当事者が口頭弁論や弁論準備手続において相手方の主張している自分に不利益な事実を明らかに争わないことによって、あるいは、弁論期日や弁論準備手続期日に出頭しないことによって、相手方の主張する事実を自白したものとみなされることをいいます。
相手方の事実の主張に対してこれを争えば、相手方にはそれを証明する必要が生ずるし(その事実を知らないと主張することは争ったことになります)、それを認めれば裁判上の自白となる。
しかし、あえて認めるわけではないが、かといって積極的に否認するようでもないような場合には、その事実の証明が必要でないことを明らかにするために自白したものとみなして、裁判所はそれをそのまま裁判の基礎としなければならないとされています。
争ったかどうかの判断は口頭弁論の終結後において、弁論の全趣旨、つまり口頭弁論の全体からの総合的観察によってしなければなりません。
第一審では争うことが明確ではないと判断されても、控訴審で争えば、自白とみなされません
(しかし、場合によっては157条によってその否認は却下されることがある)。
つまり裁判上の自白と異なって擬制自白には当事者に対する拘束力はありません。
また、当事者の一方が口頭弁論期日または弁論準備手続に欠席したために、出頭した相手方が訴状や答弁書その他の準備書面に記載して予告しておいた事実を主張したときにそれが自白とみなされる場合にも、擬制自白とは扱われない次の例外があります。
出頭した相手方主張の事実を争うことを訴状や答弁書その他の準備書面に記載しておいてしかもそれが陳述されたものとみなされる場合、弁論準備手続で争っていた場合、第一審で争っていた場合(控訴審の弁論期日に欠席したが)、公示送達による呼出しを受けた場合です。
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