民法第198条 占有保持の訴え
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
解説
占有保全の訴えによる妨害停止請求には、相手の故意・過失があることは要件とならない。
占有回収の訴えは、物の返還、損害賠償が請求できる。
妨害停止の請求は妨害がある間に、また損害賠償の請求は妨害の消滅後1年以内に提起する必要がある(同条1項本文)。
本条の損害賠償請求は、不法行為に基づく損害賠償請求であると解されている。
したがって、不法行為の一般原則に従い、妨害者に故意・過失がある場合に限り、損害賠償請求をなし得る(大判昭9.10.19)。
占有を侵奪した者の「特定継承人」に対して占有回収の訴えを提起することはできない。
ただし、継承人が侵奪の事実を知っていたときは提起できる。
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