請負契約の注文者は、請負人がその仕事につき第三者に損害を与えても、原則として損害責任を負いません。
しかし、注文または指図につき注文者に過失があったときには、賠償責任が生じます。
注文者も日常一般の用語では請負人の使用者なので、使用者責任が生ずるかのように思われるが、請負人のように注文者から一応独立して業務を行う者は、被用者ではありません。
使用者責任の要件である「使用関係」とは、指揮監督関係のあることを要するからです。
ゆえに、注文者は原則的に請負人の第三者に与えた損害について責任を負わないが、注文者の具体的な注文または指図に過失があったため請負人が第三者に与えた損害については、注文者も責任を
負わなければなりません。
更に、請負でも、下請けのように元請人と下請人との間に指揮監督関係がみられることが多いが、そのような場合は、元請人は下請人が第三者に与えた損害につき使用者責任を負います。
コメント 0