民法第99条 代理行為の要件及び効果
1 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。
解説
本人に効果を帰属させるためには顕名(本人のためにすることを示すこと)が必要になります。
そして、本人のためにすることを示すことを「顕名」といいます。
民法上、顕名があることが、有効な代理行為の要件のひとつです。
このように、代理の要件として顕名を要することを「顕名主義」といいます。
ここでいう「本人のためにすること」とは、本人に法律行為の効果を帰属させることであり、本人の利益のためにおこなうことではなく、代理行為が本人にとって不利益になったとしても、その結果は本人に帰属します。
なお、顕名のない意思表示は、代理人自らの意思表示とみなされます。
また、顕名があっても代理権がない場合は表見代理(109条・112条)ないし無権代理(113条)の問題になり、代理権はあるがその範囲外の行為の場合は権限踰越の表見代理(110条)の問題になります。
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