第90条 公序良俗
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
解説
公の秩序(国家や社会などの一般的な秩序)や、善良の風俗(社会の一般的な道徳的観念や社会通念)に反するような法律行為は、無効となります。
民法は私的自治の原則を採用し、私人の生活においてはその自由が尊重されています。
しかし、法律行為の自由を無制限に認めると、公の秩序や善良の風俗が害されるおそれがあり、
このため民法は90条において、公序良俗に反する事項を目的とする法律行為を無効としています。
具体例
1.強行法規又はその精神に反する行為
2.人倫に反する行為
(例)愛人契約
愛人関係に関する契約を締結したとしても、そのことのみで対価を求めることはできない。
3.射倖行為
(例)賭博行為
4.正義の観念に反する行為
(例)不正な行為を助長する行為
(例)非行を行わないことの対価として利益を与える旨の契約
(例1)総会屋(例2)偽証の撤回に対する報酬
5.自由を極度に制限する行為
(例)営業自由の制限
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